ソフト開発企業が慢性的に抱える開発案件の不採算化。プロジェクト管理手法や品質チェックソフトが数多く登場しながらも、なかなかその数が減ることはない。そんななか、ソフトウエア・サイエンス(SSI、池田吉郎社長)は、「設計書段階でチェックすることが、不採算プロジェクト撲滅には必須」と、ソフト開発の最上流工程にあたる設計の品質検査ツール「SQET(スケット)」の販売をこのほど開始した。設計書段階から開発を管理する利点、そして「スケット」の強みを探った。

 「スケット」は、ソフト開発の上流工程にあたる設計段階に不備がないかをチェックするツール。要件定義・基本設計段階の問題を早期に発見することで、不採算化プロジェクトの発生を即時に防止できるという。価格は10ユーザーで120万円。

 同ツールは、設計様式が顧客の業務に最適なのか、設計記述内容が適切か、などを同社が作った設計標準パターンと照らし合わせることで、設計書の記述漏れや、不備な点、注意すべきポイント、不採算化する確率などを把握することができる。問題点を数値データとともに可視化することで、プロジェクトマネージャーへの注意喚起にも結びつくと見ている。

 設計標準パターンは、エンドユーザーの業種ごとに30パターンを用意した。SSIは受託ソフト開発を30年以上手がけてきた実績があり、その開発ノウハウから設計標準パターンを業種ごとに作成した。

 同ツールの作成に携わった倉持晃一・ITサービス第一部副主幹は、「従来のプロジェクトマネジメントでは、設計が完了してからその後の品質度合いをチェックしていたため、その後工程で不具合を直すしかない。スケットを利用することで、上流工程の設計不備を把握でき、迅速に対処が可能になる」と優位性を強調する。

 また、プロジェクト管理だけではなく「顧客への提案活動でも同ツールを活用できる」という。

 親会社のSRA(鹿島亨社長)の関西支社では、生産管理システムのオフコンからウェブシステムへの移行にともなうSI(システムインテグレーション)案件の提案活動で、同ツールを活用。顧客の設計書作成を支援することで、ユーザーから信頼を得て、受注につながった事例がある。

 SSIでは、販売戦略として当面は取引先と、SRAのグループ会社への拡販を中心に進める方針。その後、販売代理店となるパートナー企業を募ったうえで、間接販売にも乗り出す考えだ。