大塚商会(大塚裕司社長)のCADを軸としたビジネスプロセスリエンジニアリング(BPR)事業が伸びている。CADで作成したデータを受発注や販売管理システムへとシームレスに活用することで業務の効率化や再入力するコストを削減する手法だ。建築業を中心に需要が拡大しており、ここ数年は受託開発の金額ベースで前年度比2ケタ増で推移している。今後は製造業にも同様のCAD活用型BPRを積極的に展開していくことで事業拡大を目指す。

 従来型のCADビジネスは、CADソフトを導入することに主眼を置き、開発は導入したCADのカスタマイズが中心だった。だが、CADソフトが普及した現在では、業務全体のBPRの検討が先行し、ここで明確な提案ができればITの予算がつき、「最後にCADソフトの新規ライセンスの購入が決まる」(鈴木精一・営業本部CAD-LA営業部メジャー・アカウントグループ次長)と導入手順が逆転するケースが増えている。

 2003年頃からCAD関連のコンサルティングメニューを拡充し、営業とシステムエンジニア(SE)の連携強化を進めてきた。こうした取り組みにより、上流工程に位置するCADデータを拾い出して受発注や販売管理など中・下流工程のシステムへとシームレスにつなげていくBPR案件の増加に結びつけた。同時に、CADソフト自体の拡販にもつながったという。

 販売管理など同社が得意とする基幹業務システム全般のノウハウをCADシステムに反映させることで、競合との差別化にも効果を上げた。

 CAD専業ベンダーはCADのカスタマイズには強くても「基幹業務システム全体のノウハウが弱い」傾向があるとされ、BPRでは総合力の有無が受注拡大を大きく左右するようになった。昨年度(05年12月期)のCAD活用型BPRの新規開発件数は100件余りに達し、件数ベースでも増える傾向にある。

 これまで建設業への適用比率が高く、一昨年度は開発金額ベースで建設業が全体の約6割を占めていた。だが昨年度は製造業への適用が予想を上回るスピードで進み「ほぼ半々」まで拡大した。全社の単体売上高に対する建設業の構成比は10%弱なのに対して、製造業は約25%。製造業の営業実績が大きいことを考えれば、「今後、製造業の案件数の伸び率がさらに高まる」ことも予想される。

 団塊世代が定年を迎える2007年問題や内部統制の強化などの事業環境の変化を受け、業務フローや情報システム全体の見直しが活発化しており、今後もCADを軸としたBPR案件の増加が期待できるという。