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日立 ミッドレンジ分野に力注ぐ 仮想化ニーズの取り込み狙う

2006/05/15 17:51

週刊BCN 2006年05月15日vol.1137掲載

 日立製作所(古川一夫社長)は、SMB(中堅・中小企業)向けストレージ事業の拡大を図る。仮想化ベースのストレージシステムなどを他社との差別化策として、SMBの新規顧客を開拓。これにより、国内トップシェアを維持していく方針だ。

 ストレージ事業の売上高は、2005年度(06年3月期)に3180億円(前年度比19%増)と好調。今年度は3300億円(同4%増)を目指している。

 田渕英夫・事業企画本部製品企画部主任技師は、「SMBの新規顧客を増やすため、ミッドレンジ分野の製品ラインアップを増やした」としている。

 今年4月には、ミッドレンジディスクアレイサブシステムの最上位モデル「SANRISE AMS(Adaptable Modular Storage)1000」を発売、SMB向けのストレージ統合管理ビジネスを強化した。500GBのディスクドライブ搭載でデータ容量を215.2TBまで拡張できるほか、SANやNAS、iSCSIを組み合わせたマルチインターフェースに対応している。この製品で、「用途や特性の異なるデータ混在の業務環境でも、低コストでストレージ統合が可能であることを訴えていく」という。

 また、仮想化機能搭載の「SAN RISE NSC(Network Storage Controller)55」シリーズにディスクレスモデルを追加したことで、ユーザー企業が既存ストレージシステムのリプレースを行わなくても仮想化システムを導入できるようにした。これにより、「SMBでの仮想化ニーズが増えるのではないか」とみている。
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