SRA(鹿島亨社長)は、9月30日付で持ち株会社制に移行することを決めた。持ち株会社「株式会社SRAホールディングス」の傘下に入ったSRAが、子会社として既存ビジネスを継続して行う体制に移す。ただし、持ち株会社制移行後も、SRAの事業運営体制に変化はない。持ち株会社制の決断を下した理由は何か。その狙いを探る。

 企業規模の追求──。SRAの持ち株会社制移行の大きな狙いは短期間で急速に売り上げを伸ばすための基盤づくりだ。鹿島社長は1-2年前から「エンドユーザーとの直接契約率を高めるためには、ある程度の売上規模が必要」との考えを示していた。SRAの直接契約率はおよそ80%。独立系ソフトハウスとしてこの比率は高いが、さらに高めることを至上命題と鹿島社長は考えている。そのためには売り上げの拡大が大きな課題になるという。独立系ソフト開発企業のSRAが大手顧客から直接受注するには、信頼と信用が必要になる。それを勝ち取るための施策として売上規模の拡大が重要と説く。

 持ち株会社制への移行が売上高アップにどうつながるのか。その理由は、M&A(企業の合併・買収)をスムースに行うためという。企業規模を急速に拡大させるため、SRAは今年度からM&Aを開始する意向を示している。SRAの昨年度(2006年3月期)の売上高は約340億円。鹿島社長は売上高1000億円以上の早期達成を目指している。

 M&Aは、買収した企業をSRA内に取り込むのではなく、SRAと同等の立場で独立した法人として企業を運営させるのが最良だというのが鹿島社長の考えだ。その路線を具体化するために持ち株会社制に移行したのだ。買収企業をSRAホールディングスの傘下におさめ、その後も買収した企業の経営は独立して行う体制をとる。「ソフト開発におけるSRAのノウハウの提供や経営支援はするが、経営を乗っ取るようなことはない」という。そうすれば、買われる企業もSRAからの買収提案に乗りやすくなるという思惑だ。

 具体的な買収相手については明言を避けたものの、今年度からリサーチや交渉を進めていく方針を明らかにしている。

 持ち株会社制移行への具体的な取り組みは、SRAホールディングスを株式交換完全親会社とし、SRAを株式交換完全子会社として、株式交換を9月30日付で実施する予定。SRAは9月26日に東京証券取引所第1部上場を廃止し、代わりに同市場にSRAホールディングスの新規上場を申請する予定。