リコー(桜井正光社長)は基幹システムプリンタ市場に本格的に参入した。昨年12月には、同社で初めてリコーブランド(IPSiOシリーズ)の超高速基幹プリンタ製品を投入。リコー販売や基幹系システムを扱う大手メーカーやSIerなどと共同で、同市場を開拓する。国内の高速基幹プリンタはこれまで、富士ゼロックスの寡占状態にあったが、「今後は、(富士ゼロックスが得意とする)集中処理から分散処理へ移行する」(鈴木浩一・ハイエンドプリンタ販売推進室室長)と見ており、リコーの製品ラインアップや販売力などを生かして市場を拡大できると判断。今年度(2007年3月期)からシェア拡大を本格化させる。

 リコーは04年10月、日立製作所のプリンタ事業会社を買収し、リコープリンティングシステムズ(RPS)を設立。RPSが開発した片面の連続印刷速度が70枚/分(A4横送り)や両面の連続印刷速度が184枚(同)などの機種をリコーの製品として揃えた。

 今年3月に発表した「第15次中期経営計画」(08年3月期までの3か年)の進捗状況では、「これまで得意としていた一般オフィス向け市場に加え、データセンターやコピーショップ向けなどのハイエンド市場を開拓する基盤が整った」(桜井社長)と、基幹プリンタ市場を売上増の中核と担う「新たな市場」と位置づけている。

 国内で稼働する高速基幹プリンタのうち、8割以上がメインフレームに直結した専用プリンタという。企業が出力するプリント枚数は年間約3000億枚といわれているが、このうち300億枚が高速基幹プリンタで出力されている。

 鈴木室長は「こうした基幹プリンタはメインフレームを中心とした集中処理から、オープン化、ダウンサイジング化が進み、電子帳票やERP(統合基幹業務システム)、ウェブなどのシステムを活用した分散処理に移行する」と、基幹プリンタやMFP(デジタル複合機)、帳票ソフトウェアなどを組み合わせ、同社の強みを生かしたトータルな提案をしていく方針だ。

 そのひとつが、ウイングアークテクノロジーズと共同開発した、基幹プリンタ向けに帳票システムの分散印刷を構築するオプションソフト「IPSiOリモートプリントforRDE」(5月下旬発表、1本3万8000円)。同ソフトを導入すれば、基幹システムで一括処理した大容量の帳票データを、ネットワーク経由で企業の各拠点に圧縮転送し、プリンタ上で解凍処理して分散印刷できる。「分散印刷用の各拠点のサーバーを配置する必要がなくなる」(鈴木室長)と、コスト削減ができるという。

 このほかにも、帳票作成や電子帳票、仕分けなどの製品をもつベンダーと技術連携や販売面の協業を拡大していく。

 同社の基幹プリンタは、12月の発売以来、すでに金融機関や製造業を中心に導入されている。「検証センターにおける特殊紙などの事前出力検証や、導入後のサポートも地域でフルタイムサポートできる」(鈴木室長)ことなどを打ち出し、基幹システムを導入、サポートするSIerなどと協力して、販売を積極化する。