経済産業省の「産業構造審議会情報経済分科会情報サービス・ソフトウェア小委員会」は、産業構造・市場取引の可視化を図るため、ITベンダーの能力を指標化する。同省がまとめた「情報サービス・ソフトウェア産業維新」のための施策のなかで、各ITベンダーのシステム開発能力などを数値化し、顧客企業や政府が発注しやすい認定制度をつくる。具体的な計画を経産省の石川浩・商務情報政策局情報処理振興課課長補佐に聞いた。

 ─「産業構造・市場取引の可視化」の主な狙いは。

 「ユーザー企業と官公庁および地方自治体が、ITベンダーの能力を容易に見極め、情報システムを発注しやすい体制を整備することが狙いの1つだ。顧客がシステムを発注する場合、今は各ITベンダーが何が得意で、どの程度信頼できるかが分からない部分がある。その点をまずは解消したい。また、技術力が長けていても、規模が小さく知名度がないために仕事がないベンダーがいる。指標があれば、小規模な事業者でも信頼され仕事が増える可能性があり、産業活性化に役立つ」

 ─具体的にどのような指標をつくるのか。

 「『情報システムの信頼性』、『人材のスキル』、『IT投資価値』の3つを軸に指標を作成する。情報システムの信頼性では、6月15日に発表した『情報システムの信頼性向上のためのガイドライン』を活用し、人材のスキルでは、『ITスキル標準(ITSS)』を使う。また、IT投資価値では、現在、経産省の情報政策課が作成している「IT経営力指標(案)」との連携をとりながら、指標をつくる。この3つの指標を組み合わせて、企業認定制度を創設する」

 ─運用方法は。

 「まだ検討中だ。経産省の外郭団体であるIPA(情報処理推進機構)が行うかもしれないし、そうでない場合も考えられる。いずれにせよ、運用方法は指標の中身と同じくらい重要だ。ITベンダーの意見やパブリックコメントに耳を傾け、慎重に進める」

 ─具体的なスケジュールは。

 「年内には指標を作成する。運用は来年度になるだろう。まずは、政府調達システム案件や重要インフラ機関のシステムに適合する予定だが、その後ユーザー企業が発注の際に、この指標を使ってベンダーの選定をするように、普及を促進させていきたい」

 ─ITベンダーのメリットは。

 「自社の開発能力を見極め、どの点が劣っているか、どこに強みがあるのかなど、事業リソースを各社が見極めることが可能になる。ベンチマークツールとして活用できるだろう」