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NECフィールディング 生産性向上を軸に保守の業績改善へ 片山新社長 「リストラは中心に据えない」

2006/07/31 17:57

週刊BCN 2006年07月31日vol.1148掲載

 2期連続の減収で業績不振に苦しむNECフィールディングのトップに就任した片山徹社長は、業績改善施策について拠点の統廃合や人員削減などを中心に据えない方針を示した。保守サービス単価の下落や保守契約減少により保守サービス事業が不振だが、CE(カスタマーエンジニア)の生産性向上やNECとの連携による売り上げ拡大施策で、保守事業の売り上げ減少を吸収する計画。2008年度に保守サービス事業「プロアクティブ・メンテナンス」で営業利益率10%、そのほかの事業「フィールディング・ソリューション」で営業利益率6%にし、営業利益100億円を確保したい考えだ。

 6月23日に就任した片山社長は、「当社の強みは全国を網羅するサービス体制にある」と強調。NECフィールディングは、現在400拠点に約6500人(ともに連結)で保守サービス体制を築いているが、拠点の統廃合やCEの人数削減など大幅なリストラ施策は行わない方針を示した。現在の体制を維持しながら、CEの生産性向上や作業効率を改善することでコストを削減する計画だ。

 保守サービス市場は、他社との競争激化による保守サービス単価の下落が続く一方で、ハードの品質向上により保守契約数が減少するなど厳しい環境にある。保守サービス最大手のNECフィールディングも苦しんでおり、昨年度(06年3月期)の保守サービス事業の売り上げは一昨年度比95億円マイナスの985億円。営業利益率は同2.2ポイント下がり11.9%となった。今年度も減収減益を見込んでおり、売上高930億円、営業利益率は11%台の確保としている。来年度以降も「保守サービス事業の縮小傾向は続く」(片山社長)とみているが、08年度までには歯止めをかけ、営業利益率10%は確保したい考えだ。

 保守サービス事業の売り上げ拡大施策としては、注力しているマルチベンダーサポートやソフトの保守領域を引き続き拡大させる。グループ会社のNECソフトと人材交流などを行い、ソフトの保守能力を高める。またNECと連携を強めSI案件を一緒に獲得して、その後の保守サービス提供につなげていく考え。さらに、上期内に保守契約の価格見直しも行う予定で、成長が見込めないなかでも売り上げ拡大を図っていく。

 片山社長は、05年4月にNECの執行役員専務と、PC製造・販売会社のNECパーソナルプロダクツ社長に就任。今年6月23日にNECフィールディングに移り、代表取締役社長に就いた。
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