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中古PCの団体 「RITEA」が発足 28社の加盟でスタート

2006/08/14 17:59

週刊BCN 2006年08月14日vol.1150掲載

初代代表にソフマップの矢野取締役

 有限責任中間法人中古情報機器協会(略称RITEA=リテア)が7月26日付で設立され、31日に設立総会を開催、本格的な活動を開始した。中古パソコンの評価基準の統一や、販売に関する様々な問題を解決し、健全な市場の拡大をめざすのが狙い。

 新団体「リテア」の会員は、中古パソコンを扱うリユース再生業者やデータ消去会社、オークション事業者、販売会社のほか、中古パソコンを販売するメーカーなど正会員19社、準会員4社、特別会員2社、賛助会員3団体の合計28組織・団体が加盟。初代代表理事には、ソフマップの矢野晴久取締役が就任した。

 中古パソコン市場は、年間100万台から150万台規模と、新品の約1割の市場規模にまで拡大してきたが、各社が独自のガイドラインを策定しているため、中古パソコンの品質基準、買い取りや販売に関する評価基準が統一化されておらず、ユーザーが安心して売却や購入できる市場形成が遅れているとの指摘もあった。

 また、中古パソコンに搭載されているOSやアプリケーションソフトの再販売に関しても、著作権者の権利を保護しつつ、中古パソコン業者にもメリットをもたらしながら中古製品を流通させる観点での調整が求められていたほか、中古パソコンを通じた個人情報の漏えい対策に関しても、業界として早急に整備する必要に迫られていた。

 新団体は、こうした中古パソコンを取り巻く各種問題を解決し、健全な業界形成を目指すもので、会員各社を対象に中古情報機器取扱事業者としての認定活動を行う。また、データ消去(再生工事)が済んだことを示すシールを9月から10月にも加盟各社に頒布し、これを会員会社が販売する中古パソコンに同マークを貼付して、再販するといった仕組みづくりにも取り組む。

 矢野代表理事は、「健全な業界発展のために、事業者のモラル教育から進めていく必要がある。また、中古市場の規模を把握するといった活動も重要であり、やるべき課題は山積している」として、今後、加盟企業を増やしながら、中古パソコン市場の地盤づくりを担う姿勢を示した。

 なお、事務局長兼常務理事には、7月にNECを退社した小澤昇氏が就任した。

 また、今回の新団体設立にあわせて、ヤマダ電機の子会社であるインバースネットを中心として設立していた中古パソコンの業界団体である、有限責任中間法人日本中古情報機器事業協会(略称ジェイ・スイート=Japanese Society of Used Information Technology Equipment)を事実上、吸収する形で一本化。ジェイ・スイートの代表理事だったインバースネット社長の関戸光雄氏など同協会の幹部も、新団体の理事に就任している。
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