経営のスピード化を図る日立システムアンドサービス(中村博行社長)の中核事業である「EPM(Enterprise Performance Management)ソリューション」が、企業の内部統制強化などの動きに応じて伸びている。EPMは、BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールなどを利用して「KPI(主要業績評価指標)」を導き出す仕組みを構築するものだが、同社のソリューションでは、財務データだけでなく、社員の個別目標など社内に散在する非財務データを効率よく算出できる。最近では、BIツールに加え、グループ連結経営を早期に開始するパッケージなど関連システムを強化している。これまで10-20社に導入したが、今年度(2007年3月期)は新たに10社の受注を目指す。

 同社のEPMソリューションは04年8月に開始。独自の経営診断ツールと分析手法で経営課題・指標としてのKPIを導き出し、ビジネスオブジェクトなどのBIツールを利用してKPIの継続的なモニタリング環境を構築する。KPIには、売上高や利益など財務指標だけでなく、クレーム件数や顧客訪問数、個人目標の達成度など日々のプロセスを管理する非財務データの指標も含まれ、同社のソリューションを利用すれば、社内の散在データを簡単に集約できる。

 非財務データは従来、紙ベースでまとめるケースが大半だった。だが、同社の「バランス・スコアカード導入支援パッケージ」を使えば、簡単に対応することができる。「バランス・スコアカードは、今年に入って案件が増えてきた」(奥沢浩・BI担当部長)。また、コンサルティング会社と連携しグループ連結経営の投資対効果を確認するパッケージ「QuickStart Package」に対する企業の関心が高まっているという。同社は、こうして導き出された社内データを基に、経営課題につながるシステム構築として、ERP(統合基幹業務システム)「GEMPLANETシリーズ」やSOA(サービス指向アーキテクチャ)対応のシステム統合基盤「PolarLake」などを提供していくことで、導入先企業から継続的にシステム提案ができることを期待している。

 奥沢部長は「EPMソリューションは、来年度に向けて伸びる。現在は、データ集約・分析などが主流だが、来年度以降は、運用のモニタリングやシステム監査など、新たなシステム需要が生まれ、基幹システムの手直しを含めた大型案件を獲得できる」と話す。同ソリューションは、従業員100人以上の中堅・大企業に導入が進んだ。業種別では製造業と流通業、銀行系の情報システム子会社などからの需要が拡大している。