自社の「販売会社」を主力にデジタル複合機(MFP)を販売してきた富士ゼロックス(有馬利男社長)が、SIerとの連携を強化している。NECやNTTデータなど大手SIベンダーに対し、紙文書と電子データをシームレスにつなぐ技術「Apeos(アペオス)」を利用したソフトウェアと、MFPなどを組み合わせた業務ソリューションの提供を案件に応じて始めた。今年度(2007年3月期)の下期からは、地域の有力SIerに向けたセミナーなどを開始。中堅中小企業向けの販路も開拓する計画だ。リコーやキヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)などのように、「明確な販社制度を設けず、緩やかに連携をする」(伊藤彰一郎・販売本部営業推進部部長)というが、競合他社には脅威となりそうだ。

 同社は昨年1月末、「Apeos Partner(アペオス・パートナー)」制度を開始し、現在までにNECやNTTデータ、日立ソフトウェアエンジニアリング、内田洋行など8社が加盟している。加盟各社は「Apeos」を利用したソフトを開発し、富士ゼロックスのネットワーク機能を強化したMFP「ApeosPortシリーズ」などを使った業務ソリューションを品揃えしてきた。

 「ApeosPort」と基幹システムや統合運用管理、データベースなどと連携し、MFPをセキュアな入力装置として機能させる場面で業務ソリューションを提供する。

 例えば、NECのグループウェアである「StarOffice21」と「ApeosPort」の連携機能を共同で開発し、両製品を組み合わせた文書管理ソリューションを開発。同ソリューションは、見積書や請求書など紙文書のスキャンから電子化、文書内容の承認を行うワークフローの起動、業務システムへのデータ入力、承認済み文書の保管までを一元的に管理できる。NECは、このソリューションを自社で販売していく。こうしたソリューションは、「品揃えが増え、今後は自社の販売会社を中心にSIerなどと連携していく必要性が出てきた」(伊藤部長)と、SIerとの連携を本格化している。

 このため、富士ゼロックスは昨年後半から、「Apeos Partner」加盟の各社が構築した各種ソリューションの認知度を高めるために、基幹システムを扱う大手SIベンダーを対象とするセミナーなどを全国で開始している。

 「当社の販売会社とSIerが連携して、案件ベースで拡販するスキームを構築したい」(伊藤部長)と、リコーやキヤノンMJなどとは異なるチャネル網を築いていく。

 富士ゼロックスは01年度(02年3月期)から、MFPのカラー化率を高める戦略を開始した。初年度は、MFPの販売台数に占めるカラー化率が22%。今年度には、目標とする60%を達成する勢いだ。MFPはモノクロに比べて交換トナー、コピーチャージなどの単価アップにつながるため同社の業績を大幅に押し上げるのに寄与した。

 しかし、「あと2-3年後には7-7.5割に達し、カラー化率の伸びは止まる」(伊藤部長)ため、新たに業績を伸ばす手段としてSIerと連携した業務ソリューションの拡大を模索している。

 今後は、日本版SOX法の施行を目前にした内部統制を強化する企業向けに弁護士や公認会計士などと連携して法務・財務管理などコンサルティングに関するパートナーシップも構築する予定だ。