東芝ソリューション(梶川茂司社長)は、社会貢献活動の一環として、今年から中国でIT関連技術を学ぶ学生を、日本の高等専門学校連合会が主催する全国高専プログラミングコンテスト(高専プロコン)に招待し、日中のIT技術の相互交流を促進させる。同社は、10年前から中国の大手ソフト開発企業、Neusoft(東軟集団、劉積仁会長)とオフショア開発で事業提携を進めてきた。「今後、日本と中国の連携をさらに深めていくためには、単なるビジネス上の関係だけでなく、相互の人材交流と育成を図っていく必要がある」(落合正雄統括技師長)として、両国の学生の交流活動を支援する。

 東芝ソリューションは、ソフトウェア開発コストの低減と、中国の優秀なプログラマの確保を目的に、Neusoftに対して半期で約4000人月のソフト開発を委託している。今後さらに関係を深め、当面、年間1万人月程度まで委託規模を拡大させる計画だ。同時に、長期的な協力関係を築くために、Neusoftの技術者を同社に受け入れるほか、Neusoftが創立した東軟情報学院の学生を同社で研修するインターンシップ制度にも協力してきた。

 今回の高専プロコンへの招待は、こうした協力関係を学生レベルにまで広げ、日本と中国の次世代を担う若者たちの技術交流を深めるのが狙い。

 東軟情報学院は、Neusoftが2001年に大連ソフトウェアパークと共同出資で創立した、中国では民間初のIT専門大学。04年4月に全日制の普通大学として認可され、大連、上海、成都に3校を開設し、現在、約2万人の学生を育成している。東芝ソリューションの落合統括技師長によれば、「基礎的なカリキュラムに重点を置くこれまでの大学とは違い、JavaやUNIXなど最先端の技術を習得させるための実用的な教育に重点を置いているのが特徴」で、教育レベルも高いという。

 一方、高専プロコンは5年制の技術系専門学校である高等専門学校63校の学生が、毎年10月、全国から集まって、課題、自由、競技の3部門でプログラミング技術を競うコンテスト。高等専門学校も東軟情報学院と同じく、高度な技術教育によって実業に役立つ即戦力の人材育成を教育方針としている。また、2年前からはベトナムとモンゴルから各々工科大学の学生を高専プロコンに招待するなど国際交流にも、積極的に取り組んでいる。

 東芝ソリューションでは、こうした経緯をふまえて、高専プロコンの協賛企業であるBCNを仲介役に、高等専門学校連合会に働きかけ、同連合会からの了承を得た。

 今年の高専プロコンは、10月7-8日の2日間、茨城工業高等専門学校で開催される。東軟情報学院からは中国・大連にある大連東軟情報学院の学生4名と指導教員2名が課題部門と競技部門に参加する。今年の課題部門のテーマは「子供心とコンピュータ」で、東軟情報学院からは2名が、ゲーム形式で子供たちが社会の仕組みなどを学べる「Discovery」という作品を出品する予定。落合統括技師長によれば、「東軟情報学院のなかでも非常に優秀な学生たちを選んで、高専プロコンに参加するとの情報を得ている。日本と中国の学生がそれぞれの特色を生かしたプログラミング技術を競うことで、互いの切磋琢磨につながることを期待したい」としている。