北九州市のベンチャー育成支援機関である財団法人北九州産業学術推進機構(通称:北九州テレワークセンター)が、ベンチャー企業育成について韓国の建国大学校ベンチャー創業支援センターと相互協力する覚書を交わした。主としてIT関連の新興企業の技術交流と市場開拓を側面支援する。

 北九州市は、JR小倉駅に隣接したアジア太平洋インポートマート(AIM)内に市貿易振興課、ジェトロ北九州、北九州貿易協会、北九州貿易・投資ワンストップサービスセンター(KTI)、北九州テレワークセンターといった組織を集約、韓国、ロシア、台湾、中国などとの貿易振興に力を入れてきた。地理的に近いこともあって、特に韓国との関係を深めている。

 これを受けて2004年、地元12社による北九州国際ITビジネス推進会(庄司裕一代表、略称:KLIC)が発足、翌年発足した韓国の同様の組織SICAMと提携して年2-3回の交流会を実施してきた。日韓自動翻訳機能を備えた技術貿易支援ポータル「TiTi(Toolbox for International Trading of IT solutions)」を開発・運用し、すでに数件の商談が成立するなど成果をあげている。また今年8月にはKLICを母体に10社の有限責任組合(LLC)「LLCジャパン」が設立され、日韓IT交流を加速させている。

 今回、双方のベンチャーインターネット育成支援機関が合意したのは、①双方の入居企業の情報交換②日韓交流会等の開催③双方の入居企業間の提携促進④双方の入居企業の受け入れ──など。覚書の有効期間は3年間となっている。これにより双方のベンチャーインキュベーション施設が相互に開放されることになる。公的機関のベンチャー育成施策が海外企業に拡大されたのは川崎市に続くケース。

北九州テレワークセンターの松木和寿センター長は、「KLICなど地元企業の強い要望に応えるとともに、韓国の新興企業が北九州市に拠点を置き、根を下ろしてくれることを期待している」と語っている。またKLICの庄司裕一代表は、「官民一体の日韓技術交流の基盤が一段と強まった」と、今後の展開に意欲を示している。