【ソウル発】一部の海外ブランド携帯電話を除き、韓国国内企業がほぼ独占する市場だった韓国移動通信市場。通信技術がCDMAからHSDPA(High Speed Downlink Packet Access=新開発の高速パケット伝送技術)に転換した全国サービスの開始を機に、2007年からグローバル通信会社の進出が目立ち始めている。

 海外携帯電話ベンダーは、市場進出するために韓国の移動通信キャリアとの提携を急いでいる。さらに今年から情報通信部がMVNO(仮想移動体サービス事業者)の導入を本格的に研究することを明らかにしたため、海外の移動通信キャリアも韓国進出を狙っている。最大手キャリアであるSKテレコムがアメリカで通信網を借りて「ヒリオ」というブランドでサービスしているように、海外のキャリアが韓国でもサービスできるようになるからだ。

 すでにノキア、ソニーエリクソンは韓国HSDPA事業者であるSKテレコム、KTFと組んでいる。ソニーエリクソンはSKテレコムとHSDPA携帯発売を交渉をしている。SKテレコムの関係者は「具体的な計画が決まったわけではないが、製品開発および通信網テスト期間を考慮すれば、早くても下半期に韓国で発売されるのではないだろうか」とみている。

 世界1位のノキアは昨年3月に役員が直接KTFを訪問し、HSDPA携帯発売について相談した経緯がある。KTFは海外12の移動通信キャリアとHSDPAを共同購入する方針で、協議を進めている。KTFによると「世界的に有名なグローバル携帯電話製造ベンダーらが参加意向書を提出している」そうだ。

 携帯電話の買い替えや技術の成長速度が早い韓国でHSDPA携帯を先行して発売し、様子をみてからグローバル市場で発売したいというのが海外携帯電話ベンダーの思惑だ。

 しかし、世界市場で活躍する三星電子、LG電子も独占市場を海外ブランドに明け渡すわけにはいかないと、アフターサービスやマーケティングを強化している。

 日本と同じように、キャリアに従属するしかない流通構造のせいで海外の携帯電話が韓国で成功する可能性は低いのではないかという意見もあるが、ユーザーは歓迎している。海外ブランドが入ってくることで現在8-10万円はする韓国の携帯電話端末が競争でより安くなるのではないかという期待からだ。

 一方、移動通信キャリアは政策の面でも流通の面でも解決しなければならない課題が多いため、MVNOのサービスが始まったとしても海外のキャリアが韓国に進出するのは難しいだろうと余裕をみせている。
趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)