日立ソフトウェアエンジニアリング(日立ソフト、小野功社長)は、サービスインテグレーション事業を拡大させる。具体的にはCRM(顧客情報管理システム)大手のセールスフォース・ドットコムが提供するオンデマンドサービスプラットフォーム「Apex(エイペックス)」上で稼働するアプリケーションを開発する。これまでApex上で直接動作する独自のアプリケーションはなかったが、サービスインテグレーション事業に対する引き合いが増えていることから対応を急ぐ。

 オンデマンドサービス事業に力を入れている日立ソフトは、同サービス事業の一種であるSaaS(ソフトウェアのサービス化)領域でセールスフォースとの連携を強化。すでに十数社を超えるユーザーからセールスフォースの受注を獲得しており、1社あたりの最大ユーザー数は600人に達する大型案件も出てきた。

 今後も「引き合いが増す見通し」(梶原孝之・産業サービス本部長)であることから、SIerとしての強みを生かせるサービスインテグレーション事業の拡大に取り組む。顧客の要望に沿って、最適なオンデマンドサービスを組み合わせるビジネス形態で、サービス構築力の高さとともに、より多くのサービスをラインアップすることが求められる。

 従来はセールスフォースのCRMと自社製品などとの単純なデータ連携が中心だったが、将来的にはApexプラットフォーム上で直接動作するアプリケーション開発にも乗り出す。たとえば、日立ソフトの代表的な売れ筋ソフトであるセキュリティ管理の「秘文」や文書管理の「活文」などで使われているモジュールのなかでApex対応のメリットが大きいものから順次移植することも視野に入れる。

 オンデマンド関連の引き合いのなかにはユーザー数が「数千-数万人規模」になる大型案件も含まれている。商談規模が大きくなればなるほど、要件定義が高度化し、設計も複雑になる。主力商材のSaaS化やApexへの対応を急ぐことでサービス構築の効率化を図り、受注拡大を目指す。Apex上で動作するアプリケーションについては、今後2-3年で10種類程度を開発していく見通しを示すなど、当面は、Apexを軸にSaaS事業を展開する方針。