新日鉄ソリューションズの北川三雄社長は、連結売上高2000億円を早期に達成する意欲を改めて示した。中期の目標として掲げてきたものの、ここ数年は横ばいに甘んじていた。しかし、昨年度(2007年3月期)は過去最高の利益を計上するなど、「ビジネス基盤が整ってきた」(北川社長)ことから、再び成長に向けてアクセルを踏み込む。データセンターの整備を進めるなどSaaS(ソフトウェアのサービス化)をはじめとするサービスビジネスに力を入れる。

 同社は仮想化やグリッドコンピューティングなど最新のコンピューティング技術を積極的にビジネスへ応用することで成長を加速させる。もともと新日本製鐵の情報システム子会社の流れを汲み、大規模な基幹系システム基盤の構築を得意としており、現体制になってからも業界に先駆けた基盤技術の開発に取り組んできた。今年初めにはグリッド技術を活用したシステムを東京大学に納入。4月には仮想化技術を採用した最新型の第4データセンターを稼働させている。

 新日鉄ソリューションズの3代目社長として6月に就任した北川氏は、「情報システムは所有する時代から使う時代に移行している」と、仮想化やグリッドなど柔軟性、可用性の極めて高い分散コンピューティング技術を駆使したサービスメニューの拡充に力を入れる。

 10月には都内に4か所あるデータセンターをベースに、“ユーティリティ・データセンターサービス”をスタートさせる予定だ。同サービスはITリソースの増強を迅速に行えるのが最大の特徴。サーバーなど汎用的なIT資材を柔軟に連携させてリソースを増強する仮想化やグリッド技術により、資材調達にかかる時間やシステム更新時のサービス停止時間をなくすことが可能になる。これによりITリソースを途切れることなくほぼ無尽蔵に拡大できる。さらにSaaSやSOAなどのアーキテクチャを使うことで、オンデマンド型のサービスを実現するストーリーを描く。

 昨年度は先端技術を応用したシステム提案が顧客から高く評価されるなどして連結売上高は前年度比5.5%増の1565億円、経常利益は同16.3%増の144億円で、過去最高の利益を記録した。

 今後は連結売上高を早期に2000億円、経常利益200億円に引き上げることでトップ集団におけるリーダー的存在への成長を目指す。「1000-2000億円のSIerは、競合がとりわけ激しい」と指摘、いち早く頭ひとつ抜け出すことで優位性を高める。