VBやコボル資産をターゲット

 大手SIerのシーイーシー(CEC、新野和幸社長)は、.NETマイグレーションビジネスを拡大する。SaaS(ソフトウェアのサービス化)の台頭や、マイクロソフトの次期主力サーバーOSのWindows Server 2008への対応で「マイグレーション需要が高まっている」と判断した。古い開発環境のVB(Visual Basic)で開発されたソフトウェア資産を有するユーザー企業の情報システム部門やパッケージソフトを開発するISVなどを主なターゲットとすることで、需要の取り込みに力を入れる。

 VBはクライアント・サーバー(C/S)型システム全盛期に使われたマイクロソフトの開発言語で、今もオフコン時代に使われたコボル言語と並んで、多くの情報システムやパッケージソフトなどに使われている。しかし、SaaSや次期Windows Serverの登場によりビジネス環境が大きく変化するとみられ、こうした波に乗り遅れまいと最新の開発環境である.NETへマイグレーション(移行)する需要が高まってきた。

 CECでは、VBで開発した自社のパッケージソフトを.NET環境へとマイグレーションした経験を生かし、他社の情報システムやパッケージソフトなどのソフトウェア資産をマイグレーションする事業を本格的に立ち上げる。「VBやコボル資産は膨大に残っており、SaaSなどでソフトウェアの提供方法が大きく変わる今がビジネスチャンスになる」(岡崎禎・.NETソリューション部次長)とみている。

 先行事例として会計事務所用品の総合ベンダーであるエッサムのパッケージソフトのマイグレーションを受注。これまで主にコボルとVBで開発していた税務関連システムを昨年から順次、.NETベースにつくり直している。SaaSなどソフトウェアのオンデマンド化が進行しており、こうした新しい環境に対応できる.NET環境に、「今のタイミングでのマイグレーションが必要」(エッサムの伊藤彰専務)と話す。

 他のユーザー企業やISVからも引き合いが強まっていることから、CECではマイグレーションを行う開発体制を強化している。エッサムの先行事例では国内での開発に加えて、中国・上海の開発リソースも活用した。国内と上海の開発拠点をシームレスに連携させることで開発パワーを大幅に増強している。

 こうした取り組みにより、納期短縮とコストダウンを実現することで、より多くのマイグレーション案件の受注を目指す。.NET関連のビジネスでは、今後3年程度で年間30億円規模に拡大する構えだ。