【ソウル発】韓国電波振興協会の発表によると、2007年8月時点での地上波DMB(韓国式ワンセグ放送)受信端末の販売台数は676万6000台、衛星DMB(韓国式衛星モバイル放送)は125万6000台にのぼる。モバイル放送受信端末は合わせると802万台、年内に1000万台を超えると予想されている。

 8月の1か月間に地上波DMB端末は48万8000台が販売され、有料放送の衛星DMBは2万6000人が新規加入した。

 DMB端末の販売が好調なのは3G携帯電話の戦略変化にある。3G携帯電話の低価格競争によりDMBを搭載しなかったベンダーらが次々にDMB受信機能付き携帯電話を発売し始めた。

 移動通信ベンダーは07年上半期まで3G端末のラインアップを低価格端末中心に展開していたため値段を抑えるため3GにDMB機能を搭載せずにいた。3G携帯電話端末にDMB機能を追加すると約10万ウォン(約1万3000円)ほど値段が高くなるからだ。

 しかし最近、SKテレコムやKTFなど移動通信キャリアは3Gが移動通信市場の中心となり売れ行きも安定してきていることから、低価格製品ではなくDMBを含めハイエンド端末を中心に発売し始めた。

 2G中心だった地上波DMBも同じ。4種の3GDMB端末を販売しているKTFは年末までDMB機能をそろえた3G端末5種を追加する。10種の新規3G端末の半数にDMB機能を搭載している。KTFの関係者は「上半期には地上波DMBを受信できる3G機種が少ないと顧客の不満が多かった。多様な3GDMB携帯を追加して選択の幅を広げていく予定」と語る。

 衛星DMB業者のTUメディア関係者も「3GにDMBが搭載された端末が当たり前になってきた。衛星DMBは有料放送なので、1年以上の約定加入割引料金を導入したのも加入者増大につながっているようだ」と説明する。

 DMB携帯電話の販売好調に伴い、DMB用チップメーカーの生産高が増加し、次期製品の開発にも拍車がかかっている。韓国での経験を生かしてDMBに限らず欧州のDVB-H、日本のワンセグ、デジタルTV標準のDVB-Tなど海外市場も攻略するチップメーカーも増えている。

 日本とは違って「おサイフケータイ」の反応はイマイチだが、さまざまなコンテンツが見られるモバイル放送は人気が高く、携帯電話にDMBは必須機能となりつつある。
 趙章恩(チョウ・チャンウン=ITジャーナリスト)