伊藤忠テクノソリューションズ(CTC、奥田陽一社長)は、環境に配慮した「グリーンIT」ビジネスを拡大する。省電力に対応したハード・ソフトウェアを積極的に活用。CO2などの「温室効果ガスの削減量を具体的に顧客企業へ示す」(奥田社長)ことで受注増を狙う。今年秋に稼働させる新しいデータセンターでは、最新の技術を駆使して電力消費量を大幅に削減する。SI業界でいち早くグリーンITビジネスを立ち上げることで競争力を高める。

 グリーンITを巡っては昨年12月、経済産業省が電機・IT業界のトップからなる「グリーンITイニシアティブ会議」をスタートさせるなど、CO2削減策に向けた動きが活発化している。技術的にもハードウェアやソフトウェアの両面から省電力対応の製品が続々と出てきており、「ビジネスとして落とし込む時期が到来した」(奥田社長)と判断した。

 京都議定書で定められた温室効果ガスの削減目標を達成するため、今後、産業界にもより一層の省エネが求められる。IT分野では2025年までに電力消費が06年比で5倍に増えるという予測もあるなど、省電力化が大きな課題して浮上している。こうしたことを踏まえ、CTCは「顧客企業からの提案依頼書(RFP)に電力対策の目標値が明記されるケースが増える」と予測しており、グリーンITへの対応を急ピッチで進める。

 今年秋、都市型では3つめのデータセンターが完成する予定だ。ここでは、最新の省電力サーバーやITシステムの運用効率を大幅に高める仮想化ソフトウェア技術などを採用することによって、「従来比で電力消費量を2-3割削減する」(松澤政章・常務執行役員データセンター事業グループ担当役員)ことを目指す。顧客企業に対しても温暖化効果ガスの削減量を具体的に示していくことで、自社の環境面での優位性を前面に出していく。

 また、AMDやサン・マイクロシステムズ、日本ヒューレット・パッカードなどが参加する環境配慮型ITシステムの推進団体「グリーングリット」に正式加入。データセンターにおけるエネルギー効率の改善で、世界の有力ITベンダーとの協業を深めていく方針。

 CTCはITプラットフォーム分野を得意領域のひとつとするSIerで、グリーンITの実現に欠かせない基盤技術に強い。大規模データセンターやネットワーク、仮想化・統合化などITリソースを最適化するソフトウェア基盤の構築技術を生かすことで、競合するSIerよりも電力消費や温室効果ガスの削減量を拡大。商談を有利に進めることでビジネスの伸長につなげる考えだ。