中堅SIerのワイ・ディ・シー(YDC、宮坂博社長)は、長年培ってきたEDI/EAIなどデータ交換の「つなぐ」技術を基にしたSOA(サービス指向アーキテクチャ)事業を拡大する。オラクルなどの業務アプリケーション構築に加え、SAPジャパンが提供するSOA製品「NetWeaver」の「つなぐ」技術を核に、ユーザー企業が経営環境に応じてビジネスプロセスを柔軟に変革できるITインフラを構築する案件の獲得を増やす。これにより、同社の受託ソフト開発やアプリケーション構築などを含めたROS(売上高経常利益率)を、現状の倍に当たる20%にまで早期に引き上げることを目指す。

 昨年11月には、同社は得意分野の「つなぐ」技術を生かしてSOA事業を拡大するため、従来のEAI事業部を拡充して「SOAソリューション統括本部」を新設した。

 これまでは、ERP(統合基幹業務システム)のうちオラクルの「EBS(エンタープライズ・ビジネス・スイート)」、住商情報システムの「Pro Active」、東洋ビジネスエンジニアリングの「MCFrame」などの短期導入・低コストシステムの構築を手がけてきた。

 しかし、最近は、大規模のERP市場が成熟化してきた。これに伴い、ERP構築の元請けになる案件が限られ、ERPと他システムとの「つなぎ」部分を元請けベンダーから引き受けるケースが多くなっていた。

 同社は、住商情報システムのEDI「ACMS」を駆使した複数工場を効率的に稼働させる製造業のEDIやEAIの構築など、既存システムと新システムの「連携と統合」に関する技術を蓄積し、現在では他社の追随を許さない得意分野となっている。

 2003年にSAPのSOA製品である「Net Weaver」が日本市場に投入されて、いち早く同製品の提供を開始した。特に、同製品の「つなぐ」役割を果たすEAI/BPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)製品「eXchange Infrastructure(XI)」を利用して、プロセス間の疎結合で連携する業務システム構築で実績を残してきた。「SAPのERPと他の業務システムをXIで『つなぐ』案件のうち、約半数を当社が構築した」(横井潤・SOAソリューション第2センタ長)としている。

 今後は、小規模ソフト開発会社や大手SIer子会社のシステムエンジニアで構成する約30人のXI技術者パートナーなどと共同で、SOA事業を拡大する。