静岡県沼津市に本社を置くパソコン量販店のZOA(長嶋豊社長)は、社内システムとして導入中の「差配システム」を、ヒトが介在する不定形な業務が中心の流通サービス業や小売店に外販する。店頭では、来店した顧客に対する従業員の応対力に頼っている。だが、個々に力量差があるため生産性に「ムラ」が生じている。同システムは、これを解消するため、売り上げ・利益以外にかかわる従業員の仕事を数値化し、業務効率化を図ることを目的に開発された。同社では、導入コンサルティングや開発パートナーと連携し、今秋にも同システムを販売する計画だ。

 同社の「差配システム」は、全従業員が店頭に配置されたIDカードによるタッチパネル式の端末に15分単位で業務・作業実績を登録してデータベース(DB)化し、部署・個人単位(店舗単位)の労働生産性(標準工数や水準)を導き出すことができる。これら蓄積した実績データに基づき、応対力・能力に応じた最適な人的リソース配分が可能になる。

 実績データは、各部署や部門、個人別の業務・作業別に多拠点の労働生産性を比較でき、ある拠点で労働量が一定の時期に増えることを想定した人員配置を事前に検討することができる。

 同社によると、2006年6月には、全国の店舗で期間社員235人に対し、人件費2300万円を必要としたが、07年8月には148人で1500万円にまで人員と経費を削減できたという。「負荷のかかっている店舗とそうでない店舗が、時間単位で把握できる。これにより、売り上げ・利益と比較し、どこが生産性を下げるボトルネックになっているかが把握でき、改善を促すことが可能になる」(永井裕久・店舗運営課担当課長)と、将来的には、仕事の難易度に応じた「変動時給制」を実現することもできると見通しを語る。

 同システムは、「dbMAGIC」という開発言語をベースに開発。まだ外販はしていないが、次のステップとしてシステムをリッチクライアントに移行し、SaaS(Software as a Service)に対応する計画。小規模の小売店でも、ハードウェアの運用管理の煩雑さをなくし、低コストで利用できる環境を整える。日本の労働生産性は、先進国でも下位に位置し、この要因として非製造業の「労働生産性の低さ」が問題視されている。同システムは時宜を得た仕組みで、競合製品も少なく、ニーズが高まりそうだ。