【ラスベガス発・佐相彰彦】米IBMは現地時間の4月8日、米・ラスベガスで開催中のSOA(サービス指向アーキテクチャ)関連の年次イベント「IMPACT2008」のオープニングセッションで、ビジネス変革とグリーンITに最適なのがSOAであることをアピールした。

 オープニングセッションのキーノートスピーチ冒頭に登壇した、ウェブスフィア担当のクレイグ・ヘイマン・バイスプレジデントは、「考え方を変えなければならない」と指摘。企業が時代の変化に適応することを支援するのが、SOAの新コンセプト「Smart SOA」だと話し、「ITシステムと実ビジネスの両方で浮上する課題を解決するのがIBM。その基盤は整っている」と強調した。

 最近は、企業が業務改善のITシステムとしてSOA対応を選択する傾向が高まっているという。例えば、金融機関ではクレジットカードの不正利用を素早く見つけ出すといったニーズが多い。カード利用があった直後に不正利用かどうかを自動検知する仕組みだ。SOAへの対応で、顧客データや購入店舗から送られてくる情報をシームレスに照合、迅速な分析などを実現しているケースが出ている。これまで以上に確実な業務を遂行するために1つのツールとしてITを導入、企業が抱える問題を払拭するシステムが結果的にBPMにつながる。こうした流れを、同社はSOAの観点からキャッチアップしているわけだ。

 SOAで業務改善を実現したユーザー企業として、オープニングセッションではヘルスケアサービス会社のHCSCがキーノートスピーカーで登場。同社では、ビジネスモデルの変革などにSOA導入が大きなメリットをもたらしたという。オースティン・ワルドロン・シニアバイスプレジデントは、「赤ちゃんがハイハイから徐々に歩けるように、段階的にSOAを取り入れることが望ましい。ビジネス・プロセスに合わせて追加していけばいい」と、ユーザーの立場から最適方法を話した。

 また、グリーンITという観点ではソリューションアンドソフトウェアを担当するジョーン・ソーリング・バイスプレジデントが、「優良企業になるためには環境問題を考えなければなければならない」と訴えた。さらに「ITシステムの消費電力を見直す必要性がある」と説いた。SOA関連ビジネスの中核製品であるミドルウェア「ウェブスフィア」はコンピュータシステムそのものの省電力化に寄与するという。

 消費電力の削減で課題を抱えている分野は多くあるが、なかでもデータセンター分野では急務。ホスティング案件の増加や新サービスの提供には物理的なシステムの増強が必要だからだ。そこで、IBMでは「ビッググリーン」と呼ばれるプロジェクトを実施。同プロジェクトの効果として、消費電力を同程度で稼働率を2倍に引き上げることを実現している。