アドビシステムズ(ギャレット・イルグ社長)は、総合大学に対して「クリエイティブ・スイート」などデザイン関連ソフトの拡販に踏み切った。ウェブ制作やインターネット広告に関して研究する学部や学科の設置が増えているためだ。専門学校や美術大学などでの利用が多いというイメージを払拭し、教育市場での事業領域を広げる方針。

 アドビが提供するデザイン関連ソフトのユーザーは、デザイナーをはじめとしたクリエイティブ系というイメージが強い。そのため、教育機関でも同様にクリエイティブ系の専門学校や美術大学の学生が活用しているというイメージが先行している。しかし、マーケティング本部の増渕賢一郎・教育市場部長は「そのイメージは払拭しなければならない」と否定する。

 最近では、総合大学で「情報デザイン」などと称したインターネットに関して研究する学部や学科が増えつつあるためという。大学サイドとしても、少子化のなかで時代に見合った学部を新設することが優秀な学生を確保することにつながるといった背景があるようだ。

 そこで、同社では教授や学生などを対象としたポータルサイトを開設。アドビブランドの知名度を上げることを目的に、教授向け「エデュケーション・バンガーズ」、学生向け「アドビ・クリエイティブ・キャンパス」で情報を配信している。製品面では、「指定校学生向けライセンスプログラム」で契約教育機関の学生に対してアドビ製品を割安で提供。「50校程度と契約した」としている。

 教育機関向けビジネスは順調に推移しており、「販売量が年間のピークに達する12-2月で、07年から08年にかけての3か月間は、前年同期の37%増と大幅に伸びた。この勢いは当面、続く」と自信をみせる。総合大学に売れるイメージを強めるには、販売代理店とのパートナーシップが最大のポイントで「今後は、売りやすい環境を一段と整えていきたい」考えを示す。