ニュース

ウォッチガード SOHO市場の開拓に注力 パートナーとの関係強化で

2008/07/07 21:04

週刊BCN 2008年07月07日vol.1242掲載

 UTM(統合脅威管理)製品などを手がけるウォッチガード・テクノロジージャパンの新社長に、日本ネッテグリティ(現・日本CA)社長や、圧縮ソフトを手がけるピーケーウェア・ジャパン社長を歴任した本富顕弘氏が5月22日付で就任した。これを機会に同社は、既存パートナーとの関係を強化することによって中小から大企業に向けた販売にさらに力を入れるほか、SOHOのような小規模の企業に対しても地方のSIerなどをパートナーとして拡充することで拡販を図る。グローバルでの売上高のうち、日本法人のシェアは5%程度だが、今後10%への引き上げを狙う。

 米ウォッチガード・テクノロジーズは世界的に中堅・中小企業市場に対してUTMの導入実績をもつ。以前からアジア地域でのシェア拡大に注力していて、今年2月にはジョー・ワンCEOが来日し、日本市場でのシェア拡大について言及している。

 本富社長は「これまでビジネス機会はたくさんあったが、営業力が足りなかった」ことから、マーケティング戦略に力を入れ、既存パートナーとの関係の強化や、2次代理店レベルでの新たなパートナーの拡充により、シェア拡大を目指す。こうした施策を通じて、中小から大企業に向けた需要を深耕するほか、SOHOや小規模企業に対しても地場のSIerや通信機器ベンダーなどを代理店として、拡販を図る。

 また、エンドユーザーの情報システムの運用管理アウトソーシングを行っているMSS(マネージドセキュリティサービス)パートナーも確保する。これまで大規模向けが中心だったMSSだが、小規模でもUTMを含めたサービス提供を行えるようにするとしている。

 グローバルでの売上高から見た日本法人のシェアは、5%程度だが、今後10%への引き上げを狙う。

 本富社長は「調査機関などのデータを見ると、中堅レベルの企業でさえも、予算などの問題からポイント的な対策しかしておらず、セキュリティ対策が十分でないケースが多い。運用管理が簡単で、包括的なセキュリティが安価に実現できるUTMは重要だ」と語る。

 同社はUTMアプライアンスの「FireboxX(ファイアボックスX)」シリーズを販売。ゼロデイアタックから防御できる「アプリケーション・プロキシ」機能が強み。中堅・中小レベルに対しては「エンドユーザーの課題を聞いたうえで、導入時は課題にあわせて機能を限定的に提供していくことからはじめる」(本富社長)という。

PROFILE
 1963年10月5日生まれ、44歳。1986年日商岩井(現・双日)に入社し、情報通信事業本部に籍をおく。その後、米国へMBA留学、米ボストンに駐在。94年、シャイアン・ソフトウエア・ジャパン(現・日本CA)事業企画部長、98年にはDSET Inc.日本担当ディレクター。00年、トラドス・ジャパン社長を経て、01年、日本ネッテグリティ(現・日本CA)社長に就任。06年、圧縮ソフトを手がけるピーケーウェア・ジャパン社長。08年5月22日より現職。
  • 1