NTTコムウェア(杉本迪雄社長)は、今年11月に開設予定のデータセンター(DC)で、直流電源化を推し進める。交流と直流の変換回数を少なくすることで省電力化を図る。直流化によって2-3割の電力削減が可能といわれており、グリーンITの実現に欠かせない技術。新設のDCでは最終的にIT機器の半数以上を直流化する目標を立てる。

 DCでは、電力会社から供給される交流電源を、UPS(無停電電源装置)などでいったん直流に変換。しかし、IT機器に供給する段階で再度、交流に変換して、最終的にはIT機器内部で直流に変換されて消費される。電源装置からIT機器へ直流のまま電気を供給するのが直流電源方式である。

 ただし、直流は電源装置からIT機器へ供給する過程での電圧低下が激しいなど、「取り扱いが難しい」(井川恵介・サービスプロバイダ部MSP-BUサービスSE担当課長)という課題がある。サーバーやネットワークメーカーの直流対応の進捗具合にもバラツキがあり、既存の交流電源対応の製品に比べて品揃えが少ない。顧客が指定するスペックや価格帯の機材では直流化ができないケースも目立つ。現行DCで構築したシステムのうち、直近1年間で直流化できたのは3-4割にとどまる。

 こうした課題を解決するため、同社では、直流電源に対応したIT機材をあらかじめメニュー化し、顧客企業が選びやすいようにする。技術的な検証を重ねて、最も電力効率が高い組み合わせを顧客に提示。顧客がメニューのなかから自らに合った機材を選ぶことで、直流電源化など電力効率を高めるのが狙いだ。機材の規格をある程度揃えていくことで、DC内の空調設計を容易にする効果もある。機材の排熱方式や形状が不均一だと、空気の流れを阻害し、空調効率が落ちるからだ。

 新しいDCでは、DC全体の消費電力量をIT機器の電力で割った指標PUEを、5年後に1.3にする計画を立てる。グリーンITの推進団体であるグリーン・グリッドが掲げる目標値が1.6で、NTTコムウェアの現行DCの中の最高値が1.5であることを考えると、「従来より格段に難易度が高い目標」である。IT機材のメニュー化や直流電源化、規格の均一化による空調効率の向上によって、従来のDCに比べて大幅な省電力化を達成。直流化は新DCに設置するIT機材の半数以上にする方針を打ち出す。

 NTTグループは、電気通信機器の直流化に早くから取り込んでいる。DC事業についてもグループ全体で直流化への技術的な課題をクリアすることで、他社との差別化を図る。