グローバル展開に注力

 富士ソフト(白石晴久社長)は、「骨太の戦略」を打ち出す。グローバル展開やクラウドコンピューティング、M&A(企業の合併・買収)など大胆な経営戦略を打ち出すことで、成長の突破口をつくる。同社は、過去3年間にわたって徹底的な構造改革を実施してきた。6月23日には、みずほ銀行の元CIO(最高情報責任者)の白石氏を社長に迎え入れ、経営方針の基本コンセプトである「挑戦と創造」を実践する。攻めの経営に転じる構えだ。

 「今の富士ソフトに足りないのは骨太の戦略だ」──。白石社長は、過去3年間の改革の成果を評価したうえで、強みをさらに伸ばすための“骨太の経営戦略”を実践する。不採算プロジェクトの撲滅や新事業の立ち上げ、技術分野の開拓、プライム受注の比率を拡大させるなど、過去3年間にわたって構造改革を実施してきた。

 組み込み分野では、携帯電話や情報家電向けのオリジナルのミドルウェアを製品化し、業務システム分野ではデータセンター(DC)をベースとしたSaaSやクラウドコンピューティング型のサービスを開発する。これまで売り上げの主要部分を占めてきた受託ソフト開発分野でも、ユーザーから直接受注するプライム案件の拡大に努める。

 強みをさらに伸ばすため、創業者の野澤宏会長は外部から経営のプロを招き、“集団指導体制”を構築。白石氏のほかにも日本IBMの元常務を迎え入れるなど、既存メンバーも含めて代表取締役を計6人に増やした。野澤会長と白石社長は経営全般を統括し、他の代表取締役はグループ戦略や営業、組み込みなど重点分野を受け持つ。白石氏は各分野の舵取りを担当役員にある程度任せつつ、自らは最前線の経営戦略の立案に重点を置く。

 具体的には、これまで弱かったグローバル展開を加速させる。携帯電話や情報家電向けの組み込みソフトに強みを持ち、これまで蓄積してきたノウハウを世界に売り込む。すでにベースとなるミドルウェア製品も揃いつつあることから、「世界で十分に戦える」(白石社長)と手応えを感じている。

 また、業務システムでは、今年10月にSaaS型サービスに参入したり、Googleと業務提携するなどオリジナルのサービスや新商材を増やしている。デジタル映像事業も急速に立ち上がりつつある。ここで営業体制を一気に強化することで「新規顧客の開拓につなげる」と、鼻息を荒くする。M&Aにも意欲的に取り組む。銀行マンだった経験を生かして、「優良企業を見極める」方針だ。

 白石氏は、みずほ銀行のCIOを務める以前、旧第一勧業銀行時代も含めて経営企画を策定する“企画畑”を長く歩んできた。ITに詳しく、かつ経営戦略の立案を得意とする。筋肉質の事業体制が整ってきた改革後の富士ソフトの業績をどれだけ伸ばせるのか。新任社長の手腕に期待が集まる。