分科会で事業本格化を進める

 NECは、SaaS事業化の本格化に向けて設置したメンバー制度「SaaS Business Innovation Program」のパートナー数がスタート当初と比べて2倍程度に膨れ上がったことを明らかにした。「アプリケーション」と「プラットフォーム」「SI/コンサル」の3分野でメンバー数が順調に増加。そこで、現段階では目的別に分科会を設置してSaaS事業の本格化を進めている。同社は、2010年度(11年3月期)にSaaS事業で1200億円の売り上げ規模を狙っている。目標達成に向け、着々と準備を整えつつある。

 「SaaS Business Innovation Program」の参加メンバーは、制度を開始した3月時点で18社。6か月が経過した9月上旬の時点で35社にまで増えた。内訳は、「アプリケーション」が20社以上、「プラットフォーム」が10社弱、「SI/コンサル」が5社以上で構成される。国内に本社を持つISVが集まる「MIJS(メイド・イン・ジャパン・コンソーシアム)」がこのほど参加の意向を表明するなど団体単位でメンバーになるケースも出てきており、事実上、50社以上からなる“SaaS連合軍”として形成されたことになる。

 このプロジェクトのキーマンである細田稔・マネージドプラットフォームサービス事業部長は、「SaaS事業における当社と各パートナーのビジネス領域を明確に区分したことが参加メンバーの増加につながった」とアピールする。

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 NECがSaaS基盤の開発を含めたマネージドサービスを、また参加メンバーがアプリケーション開発をはじめとするNECのSaaS基盤とのプラットフォーム連携やSI事業を手がけるように明確化したわけだ。こうした施策により、ある程度のメンバーが集まったことから「2010年度に1200億円の売上規模に到達する基盤が整ってきた」と自信のほどを示している。

 参加メンバーの充実にともない、次のステップとして進めているのは分科会によるビジネス着手の本格化だ。アプリケーション開発やプラットフォーム連携などの「技術分科会」と、SIやコンサルティングなどで広がる「ビジネス開拓分科会」をそれぞれ設置した。分科会にはNECも参加。NECと参加メンバーのパートナーシップを強化することでSaaS事業の早期立ち上げにつなげる方針だ。

 プログラムの参加メンバーが揃ったことで、NECでは「今年度末から来年度初めにかけてビジネスをスタートさせるめどがついた」としている。なかでも、アプリケーション分野での参加メンバーが急激に増えたことは大きいようだ。滞りなく開発できれば、20種類以上のアプリケーションサービスを提供することが可能。市場別では、ERPやCRM、SCM、モバイルなど8カテゴリが揃えられるという。

 今年度の参加メンバーの募集については「検討中」という。というのも、「議論したり、コミュニケーションが活発化する分科会が、技術面やビジネスモデルの創造で重要な位置づけとなる。現在はその方向性が見え始めている段階。そのなかで参加メンバーを増やすことが最適かどうかは考えなければならない」としている。