NTTソフトウェア(伊土誠一社長)は、これまで自社でソフトを開発するなど“自前主義”の要素が強かったビジネスモデルから、各ベンダーとのアライアンスで事業拡大を図る方針に切り替えた。近い将来、主流になる可能性を秘めている「クラウドコンピューティング」に対応するためで、これまで柱としていたNGN(次世代ネットワーク)やモバイル関連、情報システム開発関連の3事業に加えてSIとNIの融合なども視野に入れる。

 同社は、SaaS事業の着手に向けてテラスカイと協業。10月1日から、企業内の情報システムとSaaSアプリケーションの連携を図る「SkyOnDemand」のサービスを開始している。低コストのサービス提供で、SMB(中堅・中小企業)を対象に新規開拓を図る基盤を整備。伊土社長は、「このようなアライアンスを今後も進めていく」方針を示す。

 これまではソフト開発を中心に自社で完結するケースが多かったが、「今の時代は、1社ですべてを網羅するには限界がある。多くのベンダーと積極的に協業し、お互いの強みを発揮したほうが賢明」と認識している。そこで、三本柱にしているNGNとモバイル、情報システムなどの分野で多くの協業を進める考えだ。こうしたアライアンスによる効果は、新規顧客の開拓や新しい事業領域への進出だ。同社では、SIとNIの融合を視野に入れた「SI&NI・ソリューション事業グループ」を設置したことで、自社の強みを生かして新しいソリューションの創造に意欲を燃やしている。この事業グループで進めるプロジェクトに加え、「協業ベンダーの製品・サービスを取り入れてビジネスを拡大していくことが重要」とアピールする。

 NTTソフトとアライアンスを組むことによるベンダー側のメリットは、NTTグループが力を注ぐNGNサービスに関与できることにある。現段階では、NGNサービスの方向性が不透明な状況ではあるものの、NGNを活用してアプリケーションサービスの提供強化を進めるNTTソフトと組めば、NGN回線に対応したアプリケーションサービスといったビジネスチャンスが広がる可能性がある。また、販売代理店施策についてはPBX販売ベンダーとのパートナーシップ深耕も視野に入れているようだ。「今では当たり前となったIP-PBXに、いかに付加価値を加えるかがカギになってくる」と判断しており、ソフトウェアを中心に開発サイドで多くのアライアンスを組むことにより“IP-PBXソリューション化”を図ることも模索している。

 将来的には、「コンサルティングサービスのラインアップなどSIerの枠を超えたビジネスモデルを構築する」としている。これは、SIの脱皮を図ったビジネス展開により、クラウドコンピューティング時代に対応していくことを表している。