Linux開発・販売などのミラクル・リナックス(児玉崇社長)は、オープンソースソフトウェア(OSS)の情報システム監視ツール「ZABBIX」拡販のため、SIerなどのITベンダーを対象としたパートナー制度を新設する。「ZABBIX」を販売・導入するために必要な営業・技術情報とノウハウを参加ITベンダーに提供する。パートナーが製品を販売・導入し、その後のサポートをミラクル・リナックスが担当する体制を複数のベンダーと築きたい考え。今年度(2009年5月期)までに制度を整える。

 「ZABBIX」は、サーバーやネットワーク機器が正常に稼働しているかどうかを常時監視し、障害が発生した場合は、メールで管理者に知らせるソフト。OSSであるためライセンス費用がかからずサービス料金だけで導入できるため、「JP1」などの商用ソフトに比べて安価に導入できる。ある商用ソフトと比較すると、1年目の導入・保守コストは10分の1で済むという。

 また、「『Nagios』や『Hobbit』など他の類似OSSソフトに比べて、詳細な設計をしなくても導入できる」(寺島広大・ZABBIX推進グループマネージャー)。OSSの監視ソフト分野では「Nagios」に次ぐ2番目の有力ソフトで、寺島マネージャーは「ZABBIX」の国内開発コミュニティである「ZABBIX─JP」の代表も兼務。同製品の国内第一人者だ。

 ミラクルは、昨年9月に「ZABBIX」の導入支援と導入後のサポートサービスを商品化。導入支援サービスの一つである「監視システム設計支援サービス」(5日間)を92万円、導入後のサポートサービスは、年額30万円(監視対象20台の場合)でメニュー化した。県庁や電力会社、プロバイダなど7社・団体にサービス提供する。「商用ソフトが持つ多様な機能は必要ないから、安価に導入したいというニーズが非常に強い」と寺島マネージャーは手応えを感じている。商談期間も短く、提案から受注、インストールまで1か月間ほどという。同様のサービスは、NTTコムテクノロジーが展開しているくらいで、同サービスの導入およびサポートサービスを提供しているベンダーは数少ない。

 新支援制度では、SIerなどのITベンダーが「ZABBIX」を販売・導入できるように支援する。参加企業には、販売・導入に必要なノウハウ・技術情報や支援ツールの提供、教育を施す。今年5月までに制度を開始する予定で、当初は4~5社のITベンダーと組む計画だ。

 ミラクルの狙いは導入後のサポートサービスの販路拡大。複数のITベンダーが販売・導入し、その後をミラクルが請け負う体制を築ければ、サポートサービスの売り上げ増加に寄与すると考えている。(木村剛士)