マイクロソフト(樋口泰行社長)は1月下旬、技術者向けイベント「Microsoft Tech・Days 2009“Best of PDC”」でクラウドコンピューティングプラットフォーム「Windows Azure」の概要や機能の一部を披露した。「Azure」で展開する複数のサービスの機能やユーザー事例を紹介したほか、今後のロードマップを説明。2009年中頃に価格やSLAを公開する計画を明らかにした。

 開催したイベントは、米本社が昨年10月にロサンゼルスで開催したテクニカルイベント「Microsoft PDC 2008」で紹介した内容のなかから、日本市場に適した内容を抜粋して説明したもの。

 注目したいのはクラウド環境向けOSである「Windows Azure」と、次期クライアントOSの「Windows 7」だ。「Windows Azure」は、日本の技術者向けにその概要や機能を大々的に説明する初めての場となった。日本の「Software+Service」の推進役を担う大場章弘・執行役デベロッパー&プラットフォーム統括本部長が、マイクロソフトのクラウドコンピューティング戦略を説明したほか、米本社のマーケティングおよび技術系社員が具体的な機能を紹介した。

 マイクロソフトが提案する次世代クラウドプラットフォームとして「Windows Azure」上に複数のサービスを稼働・提供する概要図を提示(図参照)。イベントではそのなかで、「Live Services」「.NET Services」「SQL Services」の機能について言及した。「.NET Services」では、既存のソフト開発環境を使いながら「Azure」上でサービス化できる方法を説明。数ステップで操作できる簡単さをアピールした。

 また、すでに「Azure」を活用しているユーザー企業としてジェイティービー(JTB)情報システム、東証コンピュータシステム、グレープシティの事例を披露。グレープシティのケースでは、ASPサービスとして提供していた学校法人向け業務管理ソフトを「Azure」で動作させたことで拡張性の向上を果たしたことを説明した。

 このほか、具体的なスケジュールとして09年中頃に「CTP(評価版)」のカバー範囲を拡大させるとともに、価格やSLA(サービスレベルアグリーメント)を発表。その後に商用展開を開始する。大場執行役は、「クラウドは魅力的な選択肢であることは間違いないが万能とは言えない」と既存環境とクラウド環境をニーズやアプリごとに棲み分けることの重要性を強調。改めて「Software+Service」の優位性を訴えた。(木村剛士)