YouTubeの普及などの動画コンテンツが、一般コンシューマに広く普及するなか、企業でも動画を手軽に活用したいというニーズが高まっている。企業ユーザーが簡単に動画を作成できるソフトを開発する米テックスミスは、こうした需要の高まりを受けて今年4月に日本法人を設立。本格的な拡販に乗り出した。これまでは国内代理店を通じての販売だった。日本法人トップには、マカフィーなど外資系パッケージソフト会社で経験を積んだ青木大知氏が就き、企業ユーザー向けの売り込みに力を入れる。

 テックスミスの動画編集ソフトウェア「Camtasia Studio(カムタジアスタジオ)6」は、パソコンの操作画面を録画し、これを編集して動画ファイルにまとめる手法を採用した。ビデオカメラで撮影したり、アニメーションを作成するプロのクリエーター向けのソフトはアドビシステムズなど専門のソフト会社が多数製品化。一方、パソコンの画面のキャプチャだけなら、ネット上にフリーソフトが多数公開されている。テックスミスは、この中間的なソフトを手頃な価格(1ライセンス3万5900円=税別)で投入することで、今後1年間で約1万本を販売する計画だ。

 フリーソフトでは難しい動画編集や高度なエンコード機能を備えつつ、プロクリエーター向けの10万円以上するソフトよりも価格を抑えた。企業ユーザーが専門的な知識なしでも、自社製品の紹介動画や新人研修用の動画教材を「手軽に、見映えよくつくる」(青木大知・カントリーマネージャ)ことに特化したことでニーズをつかむ。カメラから動画を取り込んで編集するとなると敷居が高くなるため、同ソフトでは既存のプレゼンテーションソフトなどの動作をキャプチャし、動画にまとめる手法によって動画作成を簡便にした。新製品の特色を短い動画にまとめて販売員の教育に活用したり、新入社員研修のeラーニング教材として使うことなどを想定する。

 販売はディストリビュータのソフトバンクBB、丸紅インフォテックのほかに、インターネット企業のEC studioの3社が代理店に参加。一次代理店の選定は慎重に進める方針。当面は「企業ユーザーへの販売促進に力を入れる」(同)ことで認知度アップ、販売増につなげる。ほかにもパソコンの静止画像をキャプチャする「Snagit 8」を販売している。(安藤章司)