富士通(野副州旦社長)は、今年度(2010年3月期)から11年度までの3か年中期経営計画を発表した。1123億円の最終赤字に転落した昨年度から、今年度にまず黒字転換、11年度に最終利益を過去最高の1300億円に到達させる目標を示した。

3か年中期計画発表 売上高は保守的に

 このたび富士通が明らかにした最終年度の目標は、売上高が5兆円(08年度比6.5%増)、営業利益が2500億円(同363.9%増)、当期純利益が1300億円(08年度は1123億円の赤字)。売上高は景気後退、為替差損の影響を受けなかった07年度を約3300億円下回るものの、営業利益と当期純利益は過去最高を見込む計画を立てた。今年度は、売上高は前年度比2.2%増の4兆8000億円、最終利益は200億円の確保に照準を合わせた。

 08年度に断行した、HDD事業や、富士通オートメーションの株式譲渡など利益率が低く成長が見込めない事業部門の整理と、半導体などのデバイスおよびネットワーク事業の好転、そして海外市場での売り上げアップによる利益増加を、主な利益向上要素に引き当てた。

 野副社長は「経済環境の悪化は09年度が底。10年度から緩やかに回復するとみている。今年度も厳しい環境は続くものの、2期連続の赤字には絶対にしない」と強調。最終年度の目標には、「売上高はコンサバ(保守的)かもしれないが、注目してもらいたいのは、この売上高でも過去最高益を出せる企業体質をつくるという点」と説明し、高収益体質の確立を重視する姿勢を鮮明にした。

 事業部門別でみると、SIやソフトサービスなどの「テクノロジーソリューション」で「利益の大半を稼ぐ」(野副社長)とし、同部門で最低でも営業利益率は8%とみている。「08年度は国内だけに限定すればSI事業では10%を達成しており、強い富士通が出来上がっている」と自信を示し、テクノロジーソリューションを軸と考えている。富士通ビジネスシステム(FJB)の完全子会社化による中堅・中小企業(SMB)向けビジネス強化などを重点施策に掲げた。FJBの役割については、「FJBはもともとSMBに強い企業としての役割を担っていたが、大企業のユーザーが増え“ミニ富士通”化していた。SMBにアプローチするためのチャネルコントロールの役割を改めて担わせる」(野副社長)。

 一方、利益を生みにくくなっているPCや携帯電話事業については、「個人、法人問わず、人(ユーザー)との接点を持つという意味で重要なプロダクト。2~3%の営業利益率でも続ける」と、野副社長は事業の継続に言及した。(木村剛士)