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ルート42 自動生成ソフトを駆使 開発コスト削減 用途特化で精度高める

2009/11/12 21:43

週刊BCN 2009年11月09日vol.1308掲載

 ソフト開発のルート42(高橋一成社長)は、業務アプリケーションの自動生成ソフトによってユーザー企業のコスト削減需要に応える。要件定義データのみでウェブアプリを生成するもので、利用料金は月額10万円から。業務アプリを外注して開発するよりも、格段に安く開発できる。ユーザー企業の社内向け業務アプリに特化することで、自動生成の精度を大幅に高めた。向こう3年間で300セットの販売を目指す。

 ルート42の自動生成ソフト「MOD99」は、市販の表計算ソフトに入力された要件定義データを読み込み、ウェブアプリのプログラムを自動生成する。長引く不況で、ユーザー企業はコスト削減に神経を尖らせる。社内で使う業務アプリには、「なかなか予算をつけられない」(高橋一成社長)のが、多くの企業の実情だ。MOD99は、こうした社内向けの業務アプリを自動生成することで開発コストを削減する。ユーザー企業からの引き合いが好調であることから、この10月、インタフェースやシステムの安定性を向上したバージョン2の販売に踏み出した。

高橋一成社長

 ユーザー企業の情報システム部なら、自社業務の要件定義は比較的容易だ。プログラム生成はMOD99が代行するので、外部に開発を発注しなくても済む。ルート42では、社内業務に対応したアプリ開発に特化することで、ソフト本体の価格を安く抑えつつ、プログラムを高い精度で生成できるようにした。価格は、パッケージを丸ごと買い取る200万円からと、月額課金10万円からの2種類の方式から選べる。

 「MOD99」は、現在は直販がメインだが、SIer向けにも販売する。プログラムは自動生成できても、基幹業務システムとの連携などSIが必要なケースも出てくる。SIerは単純なプログラム開発のコストを削減し、より高度な基幹業務との連携や、業務コンサルティングなどで収益を確保できる。SIerにとっては、限られたユーザー企業のIT予算を引き出し、自らの利益を確保するツールとして活用できそうだ。(安藤章司)

市販の表計算ソフトに入力した要件定義データからウェブアプリを自動生成する
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