日立ビジネスソリューション(木村伊九夫社長)は、企業内などで保管している物品の貸出業務を、ICタグによって管理するシステム「レンタルマイスター」と、膨大な物品を管理している環境に向けた機能拡張版「レンタルマイスターエンタープライズ」を1月12日に出荷開始した。同社は2製品合わせて1年間で50セットの販売目標を立てている。

第2システム事業部
第2システム部
坂本英昭主任技師
 両製品は、日立製作所の世界最小レベルのパッシブ型無線ICチップ「μ(ミュー)チップ」を利用した書物、媒体などの物品貸出・返却管理支援ソリューション。

 日立ビジネスは、管理系業務をICタグを使って効率化するシステムを受託開発で手がけてきたが、管理関連業務の効率化ニーズが高いことに着目し、導入費用を抑えた物品貸出管理システム「レンタルマイスター」をリリースした。

 「レンタルマイスター」は数千個程度、「同エンタープライズ」は数万から数十万個の物品管理を目安に、「直販を中心とし、グループ会社の日立製作所との販売で連携を図るほか、パートナーの開拓も検討している」(第2システム事業部第2システム部の坂本英昭主任技師)という販売体制だ。高額な法律関連書籍を保有している司法書士事務所や、過去記事や写真素材などを保管している新聞社、マスターテープを管理している放送事業者などに、システムを売り込む考え。

 「レンタルマイスター」は、μチップの「輻輳制御」「積層タイプ」とバーコード形式に対応。「輻輳制御」は複数のタグの同時読み取りが可能だが、タグとタグの間に一定の間隔が必要だ。一方「積層タイプ」は、間隔が1~2mm程度空いていれば読み取りができる。書籍以外でも、CD-ROMなどの薄いメディアケースの背表紙に貼り、重ねた状態で読み取りができるなどのメリットがある。

 μチップリーダにタグを貼った部分をかざせば簡単に貸出・返却ができるほか、又貸しの状況なども把握できる。ウェブで物品の情報や利用状況を検索して一覧表示するほか、管理者に対して複数の条件で物品の状態を検索表示する機能を提供。貸出期間超過の物品や利用者の情報を容易に把握することが可能だ。結果はCSV形式で出力できる。

 これらの機能に加え、「レンタルマイスターエンタープライズ」では、μチップの「積層タイプ」を利用することで膨大な数の保管物品の貸出、返却、棚卸などの管理業務を短時間でできるようになった。また、高出力のリーダ装置で一括棚卸や捜索作業時間を5~10倍近く短縮するほか、住友スリーエムのブックディテクションシステムとを併用することで、無断持ち出しを検知することができる。(鍋島蓉子)

重ねたCDケースのタグを高出力リーダで瞬時に読み取る