データセンター(DC)運営のエクイニクス・ジャパン(古田敬社長)は、“駅ナカ商法”でビジネスを伸ばしている。自らのDCに複数の有力通信キャリアやコンテンツプロバイダの回線を引き込み、情報流通の“ハブ”の役割を担わせることで他社DCと差異化。鉄道路線に喩えるなら、新宿駅や渋谷駅のように、複数の鉄道路線を引き込み、駅構内の集客力を高める。そこに店(=DC)を出すことで“地の利”を得るという商法だ。

古田敬社長
 通常のDCは、通信回線をバックアップを含めて2系統ほど引き込むケースが多いが、エクイニクスでは、日欧米の主要通信キャリアやコンテンツプロバイダなどの多数の通信回線を契約。DC事業と並行して手がける「インターネット・エクスチェンジ(IX)のノウハウと融合」(古田社長)させることで、DCの付加価値を向上させた。昨年度(2009年12月期)の日本法人を含むグローバルの連結売上高は、08年12月期の7億ドル(約630億円)比で20%台という高い伸長率を成し遂げた模様だ。

 世界的に厳しい受注状況のなかでも、インターネット経由でサービスを提供するクラウド/SaaSの需要は拡大基調にある。クラウド/SaaSは国境を越えてのサービス提供が可能で、DCも世界各国の通信キャリアなどとの接続が欠かせない。09年6月、大手SIerのITホールディングスが、英ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・ピーエルシー(BT)との業務提携を発表したのも、グローバル規模でサービスを提供するためだ。エクイニクスは、こうした需要の拡大を踏まえて、年内から2011年の早い段階で国内三つ目のDC開設の準備を推進。国内SIerやユーザー企業の需要を取り込むことでビジネス拡大を目指す。(安藤章司)