インターネットの相互接続点「インターネット・エクスチェンジ(IX)」を運営するエクイニクス・ジャパン(デイビッド・ウィルキンソン社長)のビジネスが好調だ。SaaSやクラウドコンピューティングなどインターネットを基盤としたソフト・サービスが拡大するなか、IXとこれに付随するデータセンター(DC)の需要が高まっていることが背景にある。同社グループ全体で世界18都市にIXやDCを展開する強みを生かし、ユーザーニーズの取り込みに力を入れる。

 IXは、プロバイダ(ISP)やDCなどを結びつけるハブの役割を果たすサービスで、国内では日本インターネットエクスチェンジ(JPIX)などが有名だ。エクイニクスは米国にグローバルの本社を置くIXベンダーで、日本を含む世界10か国、18都市にIXやDCを展開。国境を越えてサービスを提供することが多いSaaSやクラウドコンピューティングの需要増が利用社数を増やす要因の一つになっている。

 世界の主要都市にはそれぞれのIXがあるが、世界規模でIXを運営するベンダーはまだ少ない。インターネットがもともと学術利用から始まったこともあり、非営利団体がIXを運営しているケースも見られる。SaaSなどインターネットのビジネス利用や、これに伴う通信トラフィックの増加によって、国際的に通信品質を確保できるIXやDCの需要が高まっていた。

 こうしたニーズを満たすために、エクイニクスは1998年に創業。通信キャリアに依存しない独立系のIXベンダーとして世界の主要都市にIXやDCを開設する。ネットを利用したサービスを国際的に提供したいITベンダーを取り込み、連結売上高を年率平均30-40%の勢いで伸ばしてきた。Googleも一部、同社のIXを利用している。昨年度(07年12月期)のグローバルでの連結売上高が4億ドル(約400億円)余りだったが、今年度は7億ドル(約700億円)余りへと大幅に増える見通し。

 各地域の有力なIXやISP、通信キャリアと協業を進め、「グローバル規模のインターネット・ビジネス・エクスチェンジ(IBX)網をより強化する」(デイビッド・ウィルキンソン社長)ことでビジネス拡大を図る。「IBX」とはインターネットをビジネスの基盤としている事業者を支えるデータ交換サービスのことで、エクイニクスが目指すビジネス形態を表した言葉。国内では9月末にJPIXとの相互接続を拡張している。SaaSを足がかりに海外展開を目指す国内SIerやISVの顧客開拓にも力を入れる方針だ。

 今年度の日本国内のビジネスでは、海外進出を目指す国内ITベンダーなどをターゲットとした新規顧客を50社ほど開拓する計画を立てる。