ビジネスソフトウェアアライアンス(BSA)はこのほど、欧米に比べて遅れている国内企業でソフトウェア資産管理(SAM)を支援するため、SAMの構築手順や構築・運用時に必要なドキュメントのひな形などを無料公開している「C-SAMポータル」を開設した。昨年、ソフトの不正使用(違法コピー)事件が相次いだ地方公共団体向けに立ち上げた「P-SAMポータル」に続く、SAM支援サイトだ。両サイトとも、SAM構築・支援に長けたコンサルティング会社やITベンダーを紹介するコーナーも設け、自社だけの取り組みに悩む企業への支援も行っている。

 「C-SAMポータル」は、SAM構築・運用時に不可欠なドキュメント・ライブラリや導入事例のほか、構築・運用を支援するコンサル会社やITベンダーによる「SAM構築支援会社」と専門の講師を紹介している。ドキュメントはSAMの国際標準「ISO/IEC19700-1」などに基づく運用体制を築くための、ひな形類を無料公開。「C-SAMポータル」では「P-SAMポータル」に掲載した雛形から大幅に内容を改定した。

 例えば、「申請書・報告書類テンプレート一式」内には「監査計画書」を追加したほか、「管理対策基準」と「管理対策手順」を大幅に見直した。片岡伸吉・BSAメンバー企業日本代表は「民間企業に即したタイプに一部を修正した。このテンプレート類を使えば、ある程度は自社内でSAMを構築できる」と話す。

 これまでも、SAMに関係する団体からSAM構築・運用するうえでの指標が出ていたが、具体的なドキュメント類は揃っていなかった。BSAでは「将来的に、ドキュメント類を使ってどう取り組むべきかをまとめた『eラーニング』を作ることも視野に入れている」(片岡日本代表)と、サイトを拡充する計画だ。

 また、両サイトには「SAM構築支援会社」を紹介している。現在、クロスビートやアエルプランニング、デロイトトーマツなどのコンサル会社や監査法人、内田洋行など6社が掲載されている。

 違法コピーは、地方公共団体だけでなく民間企業にも拡大し、コンプライアンス上で問題が生じている。このため、民間企業のシステム構築を支援するSIerにも、SAM支援体制を強化する動きが出ている。これに呼応して両サイトの「SAM構築支援会社」は、SIerを中心に増やしていく方針だ。(谷畑良胤)

BSAが開設した「C-SAMポータル」には、SAM構築・運用の支援ベンダーが紹介されている