メール関連サービスを手がけるブレイン(天毛伸一社長)は、携帯向け高速メール配信システム「ブレインエンジン」のSaaS版の提供を開始した。初期費用5万円、月額10万円と低価格に設定しており、これまでメール配信エンジンの導入ができなかった中堅・中小企業(SMB)に対して拡販を図る。

「安価」を強みに拡販を推進

 携帯キャリアは、それぞれ異なる配信規定を設けている。例えば、スパムメールの送信禁止をはじめ、一定時間内に大量のメールを配信したり、宛先不明のメールを送ると迷惑メールとみなしてブロックする「キャリアブロック」などがある。そのため、メールを確実に届けるためには、頻繁に変更されるキャリアの規定にいち早く対応していく必要がある。

 「ブレインエンジン」は、キャリアごとに異なるブロック規定に対応し、メールを確実に送信先に高速配信する導入型のメール配信エンジンである。今回提供するSaaS型サービスでは、自社開発のロードバランサ(負荷分散装置)により、フリーメールの到達率も高くなった。導入型メール配信エンジンを提供している企業は、国内で3社ほど存在するが、100万~300万円の高額製品が中心であり、SMBでは手が出せなかったところが多かった。「顧客から、安価に提供してもらえないかという要望が多く寄せられていた。そこで今回、SaaSで提供することにした。どのベンダーの高速メール配信エンジンを使っても配信速度に違いがなくなり始めているだけに、低価格は大きな強みだ」(天毛社長)と話す。初期費用5万円、月額10万円は業界最安値となっている。

 まずはウェブサイトなどを中心にアプローチし、問い合わせがあった1万アドレス以上の顧客基盤をもつ既存ユーザー企業や新規のユーザー企業に対してブレインエンジンのSaaS版を提案していく。

 パートナーを介して販売する体制を整え、大手ベンダーなどでの取り扱いを進める。ブレインは、自治体、官公庁の災害、緊急通報システム、一般企業のモバイルメール配信や、配信システムをすでに自前でもっていて高速配信エンジンを併せて使いたい企業などにこのサービスを拡販していく。2010年の1年間で200ライセンスの販売を目指す。

 ブレインは03年に設立されたメールサービスに特化した企業。同社のメール配信サービス「ブレインメール」は全日空、NTT西日本といった国内大手企業をはじめ約3000社への導入実績をもっている。(鍋島蓉子)