イメーション(市村操社長)は、第5世代の規格となる「LTO5」のテープカートリッジ「LTO Ultrium 5カートリッジ」を2010年4月21日に市場投入し、テープ需要の掘り起こしを図る。最近では、データバックアップの必要性から中堅・中小企業(SMB)がテープを導入する機運が高まる可能性を秘めている。同社では、こうしたニーズに対応するなどで、今年12月末までにLTO5のテープで3万本規模の販売を狙う。

越中浩司エキスパート
 LTO5は、前世代のLTO4と比較するとデータ圧縮時で約2倍となる最大3.0TB(テラバイト)の記憶容量と高速データ転送速度などが特徴。また、スペース効率を向上させるパーティショニング機能を新たに追加した。こうした新規格による機能強化によって、ユーザー企業は社内の重要なデータを大量に保存できるようになった。さらに、同社独自の技術で耐久性や安全性を追求。具体的には、カートリッジの強度を高めた「コーナースナップ」の採用、ハブと上下のフランジを別々に成形した「3ピーステーププール」、高密度なデータトラックに対して正確なヘッドの位置を決める「高精度連続サーボ技術」などがある。

 越中浩司・コマーシャル製品事業本部コマーシャル製品マーケティング部エキスパートは、「重要なデータを保管しておかなければならない金融機関や官公庁で、リプレース需要を掘り起こすことができる。また、放送局で映像を保存するニーズにも対応できる」としている。加えて、「最近は、SMB市場でサーバーのバックアップ用途としてテープを導入したいといった声を聞く。そのため、新規顧客としてSMBを増やせるのではないか」とみている。SMBを開拓するため、既存販路のディストリビュータ経由で拡販していく方針だ。

 ディスクストレージの登場以来、テープの需要は減少しているとの見方がある。しかし、「テープ需要はなくならないだけでなく、LTO5の登場で製品単価が上がる。リプレース需要に提案できる点では、大きな可能性を秘めている」という。

 しかも、同社は「メディアライフサイクルマネージメント(MLCM)」というデータ管理の最適化を図る総合的なサービスを提供しており、導入から運用、リプレース時のデータ交換、廃棄までを一貫して行っている。こうしたサービスも「テープ需要を掘り起こすカギになる」と判断している。(佐相彰彦)

4月21日発売の「LTO Ultrium 5カートリッジ」