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ITコア 低価格IaaSでストレージ強化 高性能、価格訴求モデルを拡充

2010/07/15 10:13

週刊BCN 2010年07月12日vol.1341掲載

 ITコア(山田敏博社長)は、今年6月に発表したIaaS型クラウドサービス「GrowServer2010-II」で業界初の半導体ストレージなどを採用したハイパフォーマンスモデルと、低価格モデルを拡充し、ラインアップを強化した。ゲーム会社の開発プラットフォームでの利用など、ストレージに負荷をかけやすい用途などでの需要を見込む。

ITコア東京
飯塚雅也社長
 ITコアは1998年に設立後、ITサービスやホスティングサービス、ウェブシステムの開発、運用などを展開、現在KDDIやリクルートなど大手企業をはじめとする数多くの顧客を抱えている。

 同社では2004年にいち早くVMwareを導入した仮想化ホスティングサービス「GrowServer」の展開を開始。2009年には、ヴイエムウェア、データコア、シーゴシステムズの製品を活用してサーバーからストレージ、I/Oまですべてのレイヤを仮想化したホスティングサービス「GrowServer2010」を開始した。これまで「GrowServer」では、CPU1コア、メモリ1GB、実効30GB(ミラー、バックアップ含め物理90GB)の最小モデルを10万円で提供していた。近年CPUのマルチコア化やメモリの大容量化、低価格化が進んできたことから、09年に従来の2分の1にあたる5万円に引き下げた。さらに昨年リリースした「GrowServer2010」ではインフィニバンドを採用することで、サーバー、ストレージ間のI/Oを拡張するとともに、コストを低減し、最小モデル1万円の価格帯を実現した。

 また、ファイアウォール、ロードバランサ、24時間監視運用、各種設定作業などのオプションサービスを無償で提供しているのが特徴。従量課金制で、電源を落とすとデータが消えてしまう「Amazon EC2」と比べ、予算が立てやすく、オプションサービスや可用性の面を考慮すると割安に利用できるのが強みだ。

 また、ホスティングとハウジングの中間を埋めるサービスとして、仮想化できないシステムについては、同一のデータセンターにハウジングすることも可能となっている。

 今回リリースした「GrowServer2010-II」では、ストレージラインアップを強化。従来からのモデルと同等の性能である「share」に加え、ローエンドモデルの「local」、また、高速ストレージ「3PAR」を使用した「share」、半導体ストレージを採用したよりハイパフォーマンスの「Super」を用意。これによって、サービスを販売するITコア東京の飯塚雅也社長は「ゲーム系開発プラットフォームなど、ストレージに負荷がかかる用途にも対応できる」と話す。また、今回のリリースにより、価格設定をCPUのコア数からGHz単位に変更。最小構成月額5000円の低価格メニューを揃えた。同社では「既存顧客を対象とした個別相談会を開催することでサービスをアプローチしているほか、ウェブサイトからの問いあわせによるプル型の営業を展開している」という。現在は直販が中心だが、代理店経由でのサービス販売も視野に入れている。(鍋島蓉子)
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