国内大手SIerのSRAの子会社であるAIT(大熊克美社長)は、今年9月に創業20周年の節目を迎え、中期経営計画の初年度として、五つの事業に注力する。同社はこれまで、IBMのUNIX「AIX」を中心としたオープンシステムの構築を強みとし、現在も安定的な成長を維持している。一方で、20年を節目として、新しいビジネスモデルの創出に力を入れる。

大熊克美社長
 AITは1991年にSRAと日本IBMの合弁会社として設立された。「AIX」の販売や、インフラ構築に強みをもち、売り上げ構成比はハード販売・構築が8割、開発・運用が2割となっている。これまで安定的な成長を続けてきたものの、「新しいビジネスモデルと売り先を開拓しなければならない」(大熊社長)との方針から、安定事業に加え、新しいビジネスモデルによる事業変革を進めている。

 創業20年の節目の年であり、中期経営計画の初年度を迎えることに伴い、AITでは五つの事業に注力していく。

 その一つは帳票ソリューション、セキュリティといった「ソリューション事業」を推進すること。そのなかで、新たにBI(ビジネスインテリジェンス)の専門部隊を設置し、調査検討に乗り出している。

 二つめは、「クラウド」で、クラウドによるシンクライアントシステムの構築などを提案していく。三つめは「新規マーケット」の開拓。「ゼネラルビジネス営業部」を新設し、AIXのインフラ構築案件を拡大する。また、四つめとして、「アライアンス」を締結し、独立系SIerとともにAIXを拡販する。

 五つめとして、「グローバル市場」を狙う。中国にAIXの販路を拡大し、インフラ構築ビジネスを展開する。大熊社長は、「中国進出は社員のキャリアにも関連している。年齢とともにキャリアの選択肢を広げることができるし、隣国との経済的結びつきで、社会貢献ができる。会社の活路も見出せると考えている」と展望を語る。(鍋島蓉子)