ホスティングやクラウドサービスなどを手がけるKDDIウェブコミュニケーションズ(山田浩喜社長)は、顧客ターゲットを明確にすることで業績を伸ばしている。昨年度(2013年3月期)はクラウドサービスの「CloudCore」の売り上げが前年度比約2倍に伸びたほか、既存のホスティングサービスも堅調に推移。山田社長は「今後も売上高の2ケタ成長を目指す」と、事業の拡大に意気込みを示している。この自信の背景には、ウェブ制作会社をはじめとする中堅・中小ユーザー企業にターゲットを絞り、使い勝手を改善し続けてきたことがあるようだ。

山田浩喜 社長
 ホスティングやクラウドビジネスは、大資本を投じて規模のメリットを追求する様相をみせている。こうした市場環境にあって、KDDIウェブコミュニケーションズは、ウェブ制作会社を中心とした中堅・中小ユーザーが使いやすいサービスに半ば特化するかたちで、大手との棲み分けを図る。KDDI本体が手がけるIT系サービスとも顧客層が異なるので、グループ内の競合が避けられるメリットもある。

 同社は、ウェブ制作者やデザイナーの作業フローを簡略化する仕組みづくりに力を入れており、例えば「SmartRelease(スマートリリース)」機能は、制作者が制作したウェブコンテンツを外部非公開のテストサーバーにアップロードし、発注者が確認。必要に応じて手直しの作業を経た後、外部公開用の本番サーバーへ移行するといった一連の作業フローを支える。山田社長は、「サービス開発にあたっては、ウェブ制作者やデザイナーに“超ラク”と感じてもらえるよう設計する」ことで、ターゲットとするユーザー層でのシェア拡大に努める。

 2011年に提供を始めた主力クラウドサービス「CloudCore」の売り上げは、12年度(13年3月期)は前年度比で約2倍に伸びた。「CloudCore」と既存のホスティングサービス「CPI」を組み合わせたハイブリッド型の利用も増えており、「CloudCoreとCPIともに、まだ伸ばす余地は十分にある」(山田社長)とみて、今年度以降の全社売り上げについても「2ケタ成長の維持」を目指す方針だ。(安藤章司)