KDDIウェブコミュニケーションズ(KDDIウェブ、山瀬明宏社長)は、4月10日、クラウド電話API「boundio」の正式商用サービスを開始するとともに、同種のサービスで世界大手のTwilioと、日本市場での協業に基本合意したと発表した。

 「boundio」は、あらかじめ公開されているAPI(アプリケーションインターフェース)をウェブサイトやアプリケーションに組み込むことで、ネット経由で電話がかけられるサービス。 

KDDIウェブコミュニケーションズの山瀬明宏社長。「国内初のサービスで、中堅・中小のユーザーやウェブシステム開発者には朗報」と意気込む

 開発元のKDDIウェブの山瀬明宏社長は、「これまでSI(システム構築)型のクラウド電話サービスはあったが、ネット上の『サービスコンポーネント』の一つとして、自社のウェブシステムに安く簡単に組み込めるAPI型のサービスは国内で初めて」と胸を張る。「boundio」には、電話発信だけでなく、アップロードした音声の再生や、テキスト文字を読み上げる機能などもあり、「幅広いウェブサービスで活用できる」という。 

ソフトクリエイトの林雅也副社長。「電話はより確実な本人認証ができる」

 「boundio」の正式サービスは、ソフト開発のソフトクリエイトやカヤック、リザーブリンクなどが採用した。ネット通販やネット予約システムで、電話による本人認証や自動音声再生機能の活用を想定している。ネット通販サイト開発に強みをもつソフトクリエイトの林雅也副社長は、「電子メールによる本人確認よりも、より確実なのが電話による認証」と、メールアドレスは無料で容易に複数持つことができるが、電話番号は限られている、と採用の理由を挙げる。ソフトクリエイトは、ネット通販サイトなどにユーザー登録するときの本人認証システムで活用していく方針だ。 

クラウド電話APIサービス市場での「boundio」の位置づけ。初期コストが小さく、クレジットカードで即日実装できる導入期間の短さが強み

 海外ではTwilioをはじめとするクラウド電話APIサービスが拡大しているが、国内ではSI型の比較的高価なサービスが依然として主流。「boundio」は国内向けのサービスで、グローバルで展開するTwilioとの協業を深めていくことで、相互補完していくものとみられる。Twilioとの業務提携は日本国内での協業を主眼にしているというが、詳細は今後詰める。

 利用料金は、月額1575円、通信料金は、携帯電話向けが1分あたり25円と安く抑えた。KDDIウェブは、中堅・中小企業ユーザーやベンダーを中心に、幅広い顧客層を開拓していくことで、向こう5年で20億円程度のビジネスに育てる目標を掲げている。(安藤章司)