サイボウズ(青野慶久社長)は、9月10日、事業説明会を開き、PaaS「kintone」が順調に成長していることをアピールした。

 創業時から黒字経営を続けてきたサイボウズだが、今年6月26日に初めての赤字見通しを発表して話題になった。赤字の理由は、「kintone」への投資。これについて青野社長は、「赤字か黒字かということには興味がない。徹底的に投資する」と力強く宣言した。背景には、「kintone」の導入企業が順調に伸びていること、開発パートナー24社から47アプリが提供されるといったエコシステムの拡大、外部機関による研修プログラムがスタートしたことなどが挙げられる。

 さらに青野社長は、クラウドビジネスの特徴を1社あたりの平均売上推移をオンプレミスと比較して紹介した。「オンプレミスの場合は、初年度の売り上げが大きいが、翌年からは保守契約だけになるので、2年目は平均で5分の1以下になってしまう。一方、『kintone』の場合は、初年度の売り上げは小さいが、2年目以降にユーザー数が増えるなどして、解約を考慮しても、平均すると1社あたりの売り上げは初年度よりも増加する傾向にある。それを考慮すると、もっと投資できる」。

 2011年11月にサービスをスタートした「kintone」は、14年8月に有効契約社数が1700社を超えた。当初は直販だったが、直近の3か月では45%がパートナー経由の売り上げ。トライアルの申込みは、月間で約1200件になるという。

 今後について、「kintone」関連で二つの発表があった。一つは、11月9日に1ユーザーあたりの標準ディスク容量を2GBから3GBに増量を予定していること。二つ目は、プラグインの開放だ。現在はサイボウズからの提供限定だが、プラグインが開放されることで、パートナー企業などが独自にプラグインを提供できるようになる。例えば、独自プラグインの販売や、自社製品との連携プラグインなどの開発などが期待される。

 青野社長は、「2011年に『kintone』を発表したときは、誰もがその成功に疑問を抱いていた。流れは確実に変わってきている。今は日本を代表するプラットフォームになると確信している」と述べ、説明会を締めくくった。

サイボウズの青野慶久社長