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新金宝電通グループ 3Dプリンタでシェア3割を狙う フードプリンタの投入にも意欲

2015/03/05 15:56

週刊BCN 2015年03月02日vol.1569掲載

 台湾大手EMS(製造受託サービス)ベンダーの新金宝電通グループが、3Dプリンタ事業の拡大を図っている。2015年に世界全体で20万台の3Dプリンタが出荷されると同社ではみており、そのうちの3割に相当する6万台の出荷を目指す。比較的安価な熱融解積層(FFF)方式の「ダヴィンチ」シリーズと、高精度な造形が可能な光造形(SLA)方式の「ノーベル」シリーズの2ラインアップに加え、年内には食品を3D出力できるフード3Dプリンタの製品化も視野に入れている。

新金宝電通グループ
沈軾栄
総経理
 3Dプリンタは米国の3Dシステムズとストラタシスの二強が市場を席巻しているが、新金宝電通グループは「XYZプリンティング」のブランドで、主にローエンドからミドルエンド市場を狙う戦略を打ち出している。新金宝電通グループはEMSで通常のプリンタの受託製造を長年手がけており、「3Dプリンタを2Dプリンタの発展形と捉え、規模のメリットを生かしながら横展開していく」(新金宝電通グループの沈軾栄総経理)というように、3Dプリンタは自社ブランドとEMSの両方で規模のメリットを追求していく。

 世界展開するなかで、3Dプリンタの需要が大きいのは、北米と欧州、次に日本を含むアジアだ。市場規模も出荷台数ベースで2015年は前年比で倍増すると同社ではみている。日本もキヤノンやリコーなどの有力プリンタメーカーが存在するものの、3Dプリンタでは出遅れている。もたつく日本のプリンタメーカーを尻目に、米国の二大メーカーと並ぶトップグループに食らいついていく構えを示す。

 新金宝電通グループの強みは価格性能比の高さにある。値頃感のあるダヴィンチ・シリーズは日本円で10万円台から、高精細な造形が可能なノーベル・シリーズは20万円台からに設定。こうした強みを生かすことで世界シェア30%レベルの確保を目指す。(安藤章司)
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