ERP(統合基幹業務システム)保守サポート専門会社の日本リミニストリート(太田一矢・日本支社長)が、国内でのユーザー数をじわりと増やしている。同社はSAPやOracleといったメジャーなERP製品の保守サポートを、ERPベンダーによる正規保守サポート料金よりも割安に設定して、ERP保守費用の削減につなげる事業を展開している。国内で本格的に事業を始めて1年余りが経過し、大手企業を中心にユーザー数を15社ほどに増やした。

太田一矢
日本支社長
 ユーザー企業はERPを導入すると保守サポート契約のもとに費用を開発元に支払っている。ERPベンダーはこうした費用をもとに制度改正などで改修が必要な場合に、ERPパッケージのアップデートを行っているが、リミニストリートではERPベンダーに代わって、こうした保守サポートやアップデートを行う。特徴は費用が割安であることと、通常はERPベンダーの保守サポート対象外となるカスタマイズされたシステムにも「ユーザー企業から要望があれば対応している」(太田支社長)ことが挙げられる。

 直近では、マイナンバー(社会保障・税番号)制度への対応で人事給与システムをはじめとする改修にも着手している。

 カスタマイズ部分については、開発を担当したSIerが保守サポートを行うことが多いが、リミニストリートでは、こうしたSIerのERPカスタマイズ関連の保守業務も一部代行することが可能としている。SIerにとっては保守サポートの売り上げ減につながりかねないが、実際はリミニストリートの活用によって保守業務の工数が減った分だけ、新規のERP案件にSEを回したり、割安な保守費用で浮いた予算を、「ユーザー企業の売り上げや利益を増やすような新規システムの投資へと誘導したりすることが容易になる」(同)ことから、リミニストリートの保守サポートをSIerが担ぐケースも増えている。SIer経由の販路が徐々に拡大してきたことから、リミニストリートでは国内ユーザー数を2016年末までに累計100社程度に拡大できるとの手応えを感じている。

 では、実際のところ、ERPの保守サービス費用をどの程度削減できるのか。ある大手のユーザー企業が年間で5000万円の保守費をERPベンダーに支払っているとする。リミニストリートでは過去の経験から最大で半額近くまで削減できたケースがあるといい、もしこのケースを当てはめるとすれば年額2500万円の削減になる。4年間で考えると1億円が浮く計算になり、この分を別のIT投資へ回すことができるという理屈だ。

 太田支社長は「ERPベンダー以外の独立系保守サービスの活用によってERPの維持費削減につなげられる選択肢」をより強くユーザーやSIerに訴えていくことで顧客企業の増加につなげる。(安藤章司)