KDDI(田中孝司社長)は、SDN技術を活用した広域ネットワークサービス「KDDI Wide Area Virtual Switch 2(KDDI WVS 2)」で、新たに「仮想ネットワーク」機能の提供を開始した。

加藤俊之
パートナー
営業部長
 同サービスでは、SDNを活用した新機能を段階的に投入しており、ファイアウォールや侵入防止(IPS)といったセキュリティ機器をKDDI側で用意し、ユーザーは必要に応じてそれらの機能をサービスとして利用できる「セキュリティクラウド」を提供済み。それに続き今回、第2フェーズとして、仮想ネットワーク機能を追加した。

 従来の企業ネットワークでは、基幹系・情報系・インターネット接続用といった目的別に複数の回線契約が必要だったが、仮想ネットワーク機能を使用すると、1本の回線を論理的に分割し、複数のネットワークとして扱える。契約・開通に数週間の時間を要していた新規広域ネットワークを最短1日で構築できるので、セキュリティ要件やシステム構成の都合上、新しいネットワークが必要になった場合にもすぐに対応できる。また、重要なアプリケーション用に帯域を予約したり、一時的なトラフィック増に対応するため、臨時で帯域を拡張することも可能。

 KDDI WVS 2は、KDDIの法人営業部隊による直販に加えて、SIサービスの一部としてKDDI回線の提供を行っているパートナー企業経由でも提供を行う。KDDIの加藤俊之・ソリューション営業本部パートナー営業部長は「用途ごとに分かれている複数の回線を集約したい、帯域を効率的に使用したいといった声が多く寄せられていた」と説明する。

 管理コンソールを通じてユーザーやパートナー企業が即座にネットワークの設定や契約変更を行えるのも特徴。加藤部長は「紙の契約書などが介在せず、申し込みからサービス提供まで自動的に展開されるメリットは大きい」と話し、技術的には地味な点ではあるものの、SDNの採用によるサービス契約のペーパーレス化、セルフサービス化がビジネスの高速化に大きく寄与すると強調。パートナーはユーザー企業から寄せられる要望に迅速かつ柔軟に応えられるようになる。

 そのほか、同社が提供するクラウド基盤「KDDIクラウドプラットフォームサービス」への通信料無料での接続や、Amazon Web Servicesへの閉域かつ帯域確保での接続サービスなどを提供。管理・運用の効率向上のみならず、サービスの充実を目的としてSDNを積極導入していく。(日高彰)