インフォテリア(平野洋一郎CEO)は、海外展開を本格化する。目標は、2020年までに海外売上比率を5割にすること。現状は3%に満たないというから、かなり大胆な目標となる。

インフォテリアの平野洋一郎CEO
 1998年創業のインフォテリアは、「組織を超えたコンピューティングを実現するソフトウェアを開発し、世界規模で提供する」を掲げ、当初から世界進出を視野に入れていた。しかし、多くの日本企業がそうであったように、ソフトウェアで世界進出を目指すのは簡単ではない。現在においても、エンタープライズ分野での成功例は皆無に等しい。インフォテリアも、米国や中国、シンガポールに営業拠点を設けているが、海外売上比率が約3%というところに満足した結果を得られていない状況がみえてくる。この状況をどのように打開し、売上比率を5割にもっていこうとしているのか。

 「海外で勝負するソフトウェアは、まだかたちになっていない。これから開発を進める。その海外向けのソフトウェアがいままでと違うのは、日本国内ではなく、海外で開発するというところ。日本人が開発すると、どうしても現地に合わない仕様になってしまう。だから、開発には日本人が参加しない。現地をよく知るメンバーで開発を進める」と、平野CEOは語る。これまで日本のソフトウェアが海外で受け入れられてこなかったのは、日本人が開発していたことが原因の一つだという。たとえ現地をよく知る日本人が開発を担当したとしても、ソフトウェアが日本人好みになってしまう。そこで開発を外国人に任せるというわけだ。

 もう一つ、海外展開で課題となるのが、パートナー企業の確保だ。とくにインフォテリアでは、国内の販売をパートナーが担っていて、エコシステムを形成している。例えば、モバイル端末で使用するデジタルコンテンツを体系的に管理・配信する「Handbook」では、トータルパートナー21社、セールスパートナー11社、バリュープラスパートナー9社という販売チャネルを確保している。同様のエコシステムを海外で構築するのは簡単ではない。

 そこで平野CEOは「海外向けは、パートナー経由ではなく、ダウンロード販売を考えている。ダウンロードして、ユーザーが自分でインストールできるようなソフトウェアになる」と考えている。

 いずれにせよ、海外向けソフトウェアはまだかたちになっていない。多くの日本企業が失敗してきたエンタープライズ向けソフトウェアの海外展開。インフォテリアが海外展開成功の第一号となるのか。今後の動向に要注目だ。(畔上文昭)