【上海発】中国貴州省が、ビッグデータ産業の育成に力を注いでいる。貴州省投資促進局(季泓局長)は、11月15日、同省のビッグデータ産業の取り組みについて、上海で説明会を開催し、外部からの投資の拡大を訴えかけた。説明会には、HPやデルといったグローバルIT大手や、地場ITベンダーなど約350人が参加。貴州ビッグデータ産業への関心の高さをうかがわせた。(真鍋武)

説明会には約350人が参加。ITベンダーの関心は高い

貴州省
秦如培
常務副省長
 「貴州省共産党委員会は、常にビッグデータ産業を第一の重大戦略に位置づける――」。秦如培・常務副省長は、説明会でこう明言した。同省は、2015年に中国で初めて「全国国家ビッグデータ総合実験区」に指定され、14年1月に新設された貴安新区と、省都の貴陽市にある国家ビッグデータ産業集積区を中心に、関連産業の育成に励んでいる。すでにアリババグループと連携して、省政府によるデータ共有プラットフォーム「雲上貴州」を全国で初めて構築。全域共通の無料Wi-Fiスポットの構築も完了するなど、環境整備が進んでおり、現在はデータセンター(DC)事業者やインターネットサービス企業などの誘致に積極的だ。今年2月には李克強首相、6月には習近平国家主席が視察に訪れ、中央政府からの期待も高まっている。

 秦常務副省長によると、「貴州省には、ビッグデータ産業が発展するための先天的な優位性が備わっている」という。貴州省の海抜平均は1080mで、年間の平均気温は14.2度と、比較的涼しい地域だ。また、資源が豊富にあり、石炭・水力・火力・太陽光パネルによる発電が盛んで電気価格も安い。秦常務副省長は、「同条件の設備下では、南方の他DCよりも1~3割、電力コストを抑えられる」と説明。また、地質も安定しており、マグニチュード4以上の地震がほぼないなど、自然災害が少ない地域としても知られている。DCを建設するには最適な立地というわけだ。

 実際、DC建設は急ピッチで進められている。日系ITベンダーの進出はまだないものの、中国3大キャリアの中国電信、中国移動、中国聯通や、ファーウェイ、アリババ、HP、マイクロソフト、テンセント、浪潮集団など、大手IT企業が相次ぎDCを構築。フォックスコンでは、エネルギー効率を示すPUEが最高値1.03となるグリーンDCを建設した。

 貴州貴安新区管委会によると、貴安新区内にあるDCの延べ収容サーバー数は300万台に達するという。実際に現地を歩いたITベンダー担当者は、「DCだけでなく、高層ビルも大規模に建設されており、都市化が急速に進んでいる」と話す。

 貴州省によると、14年の省内ビッグデータ産業規模は、前年比で62.2%拡大した。今年1~9月の産業規模も前年同期比35.8%増の勢いで成長している。秦常務副省長は、「14年には、ビッグデータ関連の企業数も34.5%増えた。このうち、貴陽高科技新興区は、7000社余りの企業が登録し、過去20年分の登録分よりも多い。今年1~10月までの登録企業数は、さらに去年の合計を上回った。ほとんどが、ビッグデータ関連のハイテク企業だ」とアピールする。貴州省では、2017年までにビッグデータ産業で5000人の雇用創出、産業規模3000億元を目標としている。