ダイトエレクトロン(前績行社長)は、米電機大手イートンの無停電電源装置(UPS)の新製品「93PR」シリーズの販売を始めた。最大電源容量は200kVA相当で、大きさはサーバーラックと同等。25kVA相当のUPSモジュール8台で構成している。ユーザーは電源ラックに25kVAモジュールを1台から導入でき、必要に応じて増減できる。「『将来的には200kVA相当の電源が要るかもしれないが、今は25kVAでいい』といった拡張性重視のユーザーに最適」(岡伸二・グリーン・ファシリティー部部長)だ。

米イートンの無停電電源装置(UPS)「93PR」シリーズの外観。サーバーラックと同等の寸法のラック中に25kVA相当のモジュールを計8台内蔵できる

 近年はIT機器が小型化し、集積度が高まっていることから、サーバーラックあたりの消費電力は平均4kVAで設計することが多い。このため最小構成の25kVAモジュールであれば単純計算で約6ラック分、最大構成の200kVAであれば50ラック相当の設備に対応できる。さらに、この電源モジュールは、電源を入れた状態で追加したり、交換したりする「活線挿抜」が可能。システムエンジニアの村田繁氏は、「数あるUPSのなかでも、徹底した標準化、モジュール化をして、活線挿抜に対応している製品は非常に珍しい」と胸を張る。

左から中田秀和氏、岡 伸二部長、村田 繁氏

 SIerやデータセンター事業者は、顧客の需要に応じて電源設備を増やしているが、6ラック相当という小さな単位で電源を増やしたり、減らしたりすることで、電源に対する過剰な設備投資を抑えられる効果が見込める。国内販売に先行して、すでに外資系データセンター事業者からの引き合いがきており「順調な滑り出し」(セールスサポートを担当する中田秀和氏)と手応えを感じている。50ラック程度の中小規模のデータセンターや電算室で、拡張性の高いUPSに根強いニーズがあるとみている。

 国内市場を見渡してみると、大規模データセンターのUPS市場は、設備事業者と密接な連携関係にある国産勢が強い領域で、200kVA相当の中小規模の需要では、世界市場で仏シュナイダーエレクトリックとシェアを二分している状況という。イートンのUPSは徹底した標準化、モジュール化を推進しているのが特徴で、今回の93PRシリーズも「いかにもイートンらしい製品」と、岡部長は話す。また、93PRシリーズは最大4ラックをつなぎ合わせて800kVA相当までの冗長構成を組むことも可能だ。

 ダイトエレクトロンのグリーン・ファシリティー事業は、イートンのUPS製品を主力としており、2016年は同事業で前年比約7割増の10億円の売り上げを見込んでいる。(安藤章司)