上海の大手SIerである上海漢得信息技術(漢得信息=HAND)は9月12日、戦略投資家の資本を引き入れ、グループ企業の上海甄匯信息科技を増資すると発表した。寧波軟銀、藍湖資本、衆麟資本、上海得泛などが、総額3000万元を同社に投資する。(真鍋 武)

 漢得信息は1996年設立のSIer。OracleやSAPなどの基幹業務システム構築を得意分野としており、総従業員数は約3000人を抱える。2011年には深セン証券取引所に上場しており、15年度(15年12月期)の売上高は前年比20.79%増の12億1879万8082元。日本にも子会社を有しており、対日オフショア開発や中国国内で日系ITベンダーとの取引も盛んに行っている。

 増資する上海甄匯信息科技は、8月19日に設立したばかりの新会社。資本金は100万元で、漢得信息が72%、上海匯宣企業管理咨詢が28%を出資している。今回の戦略投資の引き入れに伴い、上海甄匯信息科技は資本金を142万8571元に拡大。3000万元の残りは資本余剰金となる。これに伴い、漢得信息の出資持分は50.04%になる。

 設立して1か月に満たない上海甄匯信息科技だが、主力商材のクラウド型経費精算管理サービス「匯聯易」の潜在力が投資家から高く評価されたもようだ。同サービスは、主要なERPや財務システムと容易に連携することができ、今年3月には、中国配車アプリ最大手の滴滴出行の企業向けサービスとのAPI連携を実現している。

 中国では、ホテル、交通、娯楽、飲食などの分野で、モバイルアプリや電子決済サービスの応用が急速に普及しており、これらと接続する経費精算サービスへの需要が今後拡大する可能性が高い。8月には、グローバル大手の米コンカーも、滴滴出行とのシステム連携を発表している。また、中国の日系ITベンダーのなかでも、決済サービスと基幹系システムとの連携案件は増加傾向にある。